学者様は惚気けたい ページ16
『〜ん〜っ！優少年、素敵だぁ〜っ！！』
現在私はクッションを抱きしめて自分のベッドの上でバタバタしている。
好きだぁっ！優少年っ！！！
と、今にも叫び出したい気分だが……
近所迷惑だからやめておこう。
まぁうちのマンションは完全防音だからどれだけ叫ぼうと問題ないが。
『優少年と会いたい……会ってもう一回プロポーズしてOKされたい……』
優少年が聞いたら引くかなぁ……
｢A先輩、あまりに気持ち悪いです……｣
あっ待って、それでもいいかもしれない……
『優少年とラブラブしたい……ラブラブしてキュンキュンしたい……』
一体いつの間に私はこんなに優少年の虜になってしまったんだろうか……
……あ！そうだっ、休日でも優少年と会える方法があるじゃないか！
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｢おっはよぉーう！！優少年っ！！！｣
『わぁっ！！？びっくりしたぁ……おはようございます、A先輩。』
昨晩唐突にメッセージを送り付けられてから、何も言わずともA先輩は一人で話を進めた。
酷い言い様だけど、これ以外に言葉が見当たらない。
｢えへへっ、昨日は楽しみで寝られなかったよ〜！今日は楽しもうね〜んへへ〜｣
だらしなく緩む先輩の頬を戻しながら、僕に引っ付く先輩を引き剥がす。
妙な所で変態くさいんだよなぁーこの人……
｢優少年、まずはどこに行く？優少年と居られるなら私は"どこでも"いいよ〜♡｣
『……やめた方がいいですよ、そういう言い方。』
他の男だったら、一体この人は今まで何回襲われてるんだろう。
僕でさえ襲いかけたのに……
フッとツンデレ先輩の一件が頭をかすめて、慌てて
｢優少年？どうした、頭をブンブン振って。｣
『あっいえ、何も。どこに行きますか？』
｢ん〜っ、そうだなぁ……私は、優少年に会いたかっただけだからなぁ……｣
『っ……無意識すか……』
｢ん？なんの事だい？｣
……この人、穢れた世間に出しちゃいけない……
やっぱりあの時告っといて良かった、危ない危ない……
赤くなった顔を隠すように、僕はA先輩の手を引いた。
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2021年3月15日 16時
