二十六話 ページ27
『石上くん…社交ダンス、出来るっけ……』
｢え？まぁ、一応仕込まれてるので一通りは｣
ハイスペックイケメンだぁああ素敵！！
『その…今度、うちが主催のパーティーがあって……少なくとも、ワルツ位踊れないといけないらしくて……』
｢それがどうかしたんです？A先輩、日本舞踊出来るでしょう｣
ソレでも踊っとけば良いんじゃないですか？と、彼は言いたいのだろう。
『…私、舞踊は出来るんだけど……社交ダンスは、全然で……良かったら、教えてください…！』
｢別に良いですけど、僕普通のワルツとヴェニーズワルツ、クイックステップ位しか……｣
『ソレで良い……』
なんかダンスはいっぱいありすぎてよくわからない。
｢社交ダンスだったら、四宮出来るんじゃないか？｣
｢ええ、一通り仕込まれていますが…本番と同じように男性が相手した方が良いかと｣
石上くんと一緒に踊りたかっただけとか今更言えない。
確かに社交ダンスは出来ないけど、家の人に教えて貰える。
ただ、私が使用人から教えて貰うのを辞退したのは…石上くんと一緒に踊りたかったという理由だけだ。
｢そういえば珍しく、俺にも生徒会長名義で来てたな、パーティーの招待状が｣
見覚えのある白封筒を取り出して会長が言った。"秀知院学園生徒会長様"と、明朝体で印刷されている。
｢ええ、私も確か……｣
｢あ、私も来てたような気がします〜！大抵のお誘いは姉様に来るんですが、不思議ですね〜｣
｢んぁ、僕も来てますね、そういえば…まぁ僕が行っても場がシラケるだけですし、僕は辞退…｣
『それ、多分…うち…かもしれない、とーさまが…Aの知り合いが来るぞって…言ってた……』
｢僕行かせて頂きますね｣
｢掌クルックルじゃねぇかお前｣
｢Aさんが居るなら私、行きます〜！｣
｢俺も行くか、せっかくの機会だ｣
｢なら、私も……｣
そして、生徒会は社交ダンス猛特訓期間に入ったのだった。
｢A先輩、もっとリズムをゆったり。あぁ違います、遅く動けって言ってるんじゃありません。
むしろ本番はドレスですから、素早く動けるようになっておいた方が良いでしょう｣
｢会長、もう少し私の腕を強く引いてください！リードする殿方はいつも堂々としてないとダメです！｣
『｢む、難しい……｣』
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2021年3月10日 23時
