二十一話 ページ22
『やぁ、皆……』
｢あ、A先輩。ちわっす。｣
今日も適当な挨拶してて可愛い！！
｢今このフォーチュンテラー千花が皆さんを占ってた所なんですよ！Aさんもやります？｣
『んー…やろ、かな……』
｢Aさんの誕生日っていつでしたっけ？｣
｢二月二日です。｣
｢なんで石上くん把握してるんです……？｣
私の事よく知ってくれてるんだぁ、素敵……！
｢えーと、二月二日生まれのAさんは…
貴方はくものような存在です。ふわふわしていて、どこか遠い高嶺の花……
そして虫の蜘蛛のように独占欲が強く、一度自分の物だと決めた物は守り通し、誰にも触れさせません。
そんなミステリアスさも兼ね備えた貴方に惹かれる人も多いのではないでしょうか。
自分の心の声をさらけ出せば、きっと幸せの光は訪れます……
ですって！｣
高嶺の花？独占欲？ミステリアス？知らない人だね。
私はそんなに近寄り難くないし独占欲も強くない、ミステリアスさなんて全く兼ね備えてないよ。
『あ、相性占い出来るんだ……』
確か石上くん、三月三日生まれだったよね……
『お互い惹かれ合ってる事に気付いてはいるものの…最後の一歩が踏み出せない関係のようです……
今のままの関係でも…儚く綺麗なきらきらほわほわした関係ですが……もっと先に進みたいと願うなら……
時に愚かさと言える勇気を出してみるのも……いいかもしれません……
相性、97%……えへへっ』
ほぼ100％……
｢何々っ、それ誰と誰の相性ですかっ？｣
『めー、内緒……』
誕生日の欄を隠して石上くんに見せる。
｢うわっ、97%とかほとんど夫婦じゃないですか……どんなバカップルなんですかこの人達。
画面からお似合い臭が漂ってきますね、これだからリア充はやなんですよ……誰と誰ですか？｣
『教えたげない…内緒。』
自分達の事だって知ったら、どんな反応するかな？
自分で相性占いとかしちゃう私の事、知られたくないなぁ……
『石上くん、今日一緒に帰ろ……？あとついでに、琥珀の事初等部まで迎えに行ってもいいかな……』
｢あ、はい喜んで。そういえば駅前に新しい音ゲー専門のゲーセン出来てませんでしたっけ？｣
『ほんと……？今度連れて行ってあげよ……』
まぁ、とりあえず今日の下校時間は最高のひとときって事で。閉廷。
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2021年3月10日 23時
