“元”不登校様は告らせたい【不登校ネタ】 (ページ32)

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八十三話ページ32

『結局、どこに決まったのかしら？』

｢ん？茨城。近いし予算的にも余裕が出てくるから、ホテルも割と豪華な所に出来るな｣

『へぇ…その理由は？』

まぁ優は成績悪いけど地頭は良いし、適当な理由じゃ……

｢え？スマホのルーレットアプリ｣

めちゃめちゃ適当だったわ！！

でもそうね、茨城……東雲にカップルのおすすめデートスポットを調べさせておこうかしら。

『班決めはどうするの？』

｢そりゃ僕だってAと組みたいし自由だけど｣

あらあらあら！！嬉しいわ！

『でも小野寺と大仏辺りは確実に私と組もうとするわ。だってあいつら私の事からかうの大好きだもの。
問題は男女割合よ、仮にさっき言った二人と私、ついでに伊井野で班を組むとすると男子が優一人になるじゃない？
それって周りの目もあるし、中々やりづらいと思うのよね』

｢じゃあ男女割合の制限無しにする？別に僕は男一人(それ)でも構わんけど｣

『そうね、何より深く考えてる時間も無いし、それが良いと思うわ』

｢じゃあ次はホテルの予約についてだけど────────｣

｢こんにちわー！何々、二人で何を話してたんですか～？｣

『一年の研修旅行についての件ですよ。行先は決まったので次はホテルを探して…』

｢聞いてない！！！｣

え？？？

｢研修旅行！？聞いてないですよ！私が知らない間にそんな話が出てたんですか！？｣

あれ、言ってなかったっけ。

優に目配せすると、｢知らない、言ってない｣と言うように首を振った。

｢もうっ、一年生も行っちゃったら二年生だけの特別行事じゃ‏無くなってくるじゃないですか！｣

凄い自分勝手な理由だ……

『そんな事言っても、もう決まっちゃった物は仕方無いですよ』

｢そうです、このタイミングで何かやらないと来年度の予算が大幅に減ってTG部にも皺寄せが来ますよ。
というかまず間違い無く僕は部費を減らすならTG部から最初に減らしていきますよ｣

｢そ、それは困ります！でも一年生も旅行っていうのは～｣

悶々と考え続けている藤原先輩を横目に、私達は相談を始めた。

『やっぱりホテルは一級にしないとプライドの高い秀知院生は黙ってないと思うわ。
そうでなくても他の高校よりは2、3ランク上の……』

｢そうだな、出来る限り上に見積って……｣