オーエル3 (ページ10)

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そんな気まずい空気を救ったのは私のスマホだった

ポッケの中で振動するそれを見れば、

“櫻井翔” の文字

「ちょっと、ごめん」

逃げるようにリビングを出て2回に上がった

「もしもし、翔くん？」

翔「あ、Aごめんご飯中だった？」

「あ、まぁ..笑でも助かった」

翔「え?」

「どしたの?今日帰らないってさっき聞いたけど」

心なしか翔くんの声は疲れているように聞こえた

翔「大した用はないんだけどさ、Aどうしてっかな～と思って笑」

翔くんとの電話は、この家に来たばかりの日を思い出させる

懐かしいなぁ..

翔「なんか懐かしいね、こうやって電話すんの」

「え、今私もそれ思ってた」

翔「お、以心伝心笑」

まーくんの彼女になったら笑顔や幸せで溢れる毎日が送れるんだろうな、って思った

きっと毎日たっぷりの愛情を注いでくれる

翔くんはどうだろう

毎日不器用にでも真っ直ぐな愛を伝えてくれそうだな

毎日些細なことに幸せを感じながら、翔くんと一緒にいたら自分もすごく優しい人間になれる

なんとなくそんな気がした

-

翔くんとの会話は弾み、気付いたら30分も電話をしていた

電話を終えて下に降りると潤くんだけがソファでスマホを見ていて、誰かがお風呂に入っていて、それ以外は誰もいなかった

「ごめんね、片付けありがとう」

潤「お、きたきた」

「...?」

潤「お礼にお姉さん付き合って」

「..ん?」

潤くんがテーブルに置いていたアイスを、

顔の横で揺らした