【SLAM DUNK】カフネ前編 (ページ2)

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1.出会い① ページ2

三井さん

初めて会った時のこと覚えててくれてありがとう

あの時

ツラい時こそ笑いなさい

でもどうしても

どうしようもなくなったら

泣いてもいい

そうおばあちゃんが言ってた言葉を思い出したけど

笑えも泣けもしなくて

どうしようか悩んでたら

バスケットボールに触れられて

やっぱりバスケットがしたい

そう思えたの

……
三井寿高校1年生

ちくしょー

入学早々に膝を痛めて入院とはな。

ついてねえな。

早く治してバスケ部に戻らねえと。

ベットの傍らに置いてあるバスケットボールに手を伸ばす。

指先が滑ってしまい、病室の外、廊下までバスケットボールが転がってしまった。

まずいな。
早く取らねえと。
松葉杖を使うのも、毎度毎度面倒だな。

そう思いながら、バスケットボールに目をやると、小さな手がバスケットボールを優しく起こすように、バスケットボールを少しバウンドさせて取る。

なぜ両手を使わないのかと、その子の上半身に視線を動かすと、右腕はギプスに覆われて首から三角巾で吊ってある状態だった。

バスケットボールを抱えて、俺を見る。

それよりも俺の第一印象は
可愛い子
だった。

女の子にモテなかったわけではないが、女の子に対して第一印象で、可愛い、という感情を抱いたのはAが初めてだった。

Aは、愛おしいものを見つめているようにバスケットボールを眺めていた。

少しの間だけど、バスケが好きなんだろうな、とそう思うには十分な行動だった。

『失礼します。』

そう言いながら俺の病室に入り、バスケットボールを優しく渡してくれた。

小さい手だと思った。
子供みたいな手。

でも顔立ちから察するに中学生ってとこか。
顔も小さい。

肩の下あたりで揃えられているサラサラな髪。
身長も160センチくらいか。

『どうぞ。』

「わるいな。
　サンキュ。」

Aが、屈託のない笑顔で頷く。

Aの瞳は大きくて真っ黒で、どこか吸い込まれそうな瞳だった。

バスケットボールを愛おしそうに見ているA。

俺の心臓はさっきから煩い。

こんなの初めてだ。

これが俺たちの出会い。

……
Aはモデル体型で、顔も手足も平均的なサイズより少し小さいイメージです。
拙い文章ですが、これからよろしくお願いします。