甘党カップルがデート……兄がいた。 ページ7
青葉城西高校男子バレーボール部は月曜休み。することと言えば1つ。それ即ちデート。
「店ってこの辺?」
「マップ見てるけど多分あってるはず」
「お、あれじゃん?」
「うんあれ。英君何頼むの?」
「チーズケーキ。Aは?」
「チョコケーキ」
「チョコ好きだね」
「うん、美味しいじゃない?……ところで、あっちのテーブルにデート中と思われるお兄ちゃんがいるのって気付いた?」
「当然。まあせっかくここまで来たし食べてこ」
「そうだねー。お兄ちゃんのために予定変更とか超癪だし」
「いくらシスコンでも自分のデート中に俺らのデート乗り込みはしないでしょ」
「そうだと思いたい。てか気付かなそうだよね」
「どうだろ。勘鋭いじゃん?」
「まあ、野生の勘かな?一兄のが鋭いけど」
「そこと比べちゃダメでしょ……」
「そっか。あ、チョコ美味しい。いる?」
「いる。俺のもいる?」
「いる〜。あ、美味しい。また来よー」
「だな。やっぱり2人で食べに来るの、何かいいね」
「英君てクールとかポーカーフェイスとか言われるけど結構笑うし嫌な顔するし困惑顔するよね」
「Aと金田一と一緒にいる時間だけ極端に長すぎて他と全然関わってないだけだし」
「……何、デレ期ですか?」
「どこに要素を見出だしたの」
「いつもより言葉の調子とか笑顔が優しかったから」
「俺はA相手にはいつもすごい優しいけどなー?」
「知ってるー。でも何かそれよりも……甘い?から」
「だからお前にはいつも甘いって」
「んー……私も英君には甘えてる、のかな?」
「普段しっかりしてるし俺にくらい甘えてもいんじゃない」
「そっかー。まあ英君が嫌がってないなら甘え続けるかも……嫌なら言ってね?」
「多分無いから大丈夫。寧ろどんどん甘えて」
「んー。それで愛想尽かされたら多分私泣くけど」
「だから無いってば」
家にて。
「何ハート飛ばしてくれちゃってんの。暑くて暑くて仕方ないからね」
「あ、気付いてたの」
「そりゃ近くでいちゃこらしてるカップル、しかもそれが聞き覚えのある声なら気付くよ」
「お兄ちゃんもデートだったじゃん。非リアの僻みって訳でもないでしょうに」
「お、れ、は!あんまガツガツ手とか出さないようにしてたの!the、健全!それをお前らはさあ……!」
「ハッ、ヘタレが」
「うーわー、お兄ちゃん傷付いた〜」
「どうぞ御勝手に。私SNS管理するから」
「こいつ……!」
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作者名:リー | 作成日時:2018年4月24日 18時