練習試合 前 ページ5
「え？矢巾さんと勇ちゃん、烏野に威嚇されたんですか？」
「ああ……『喰い散らかす』つもりらしいぜ」
「ふーん……こんなときに何でお兄ちゃんは病院行っちゃったかなぁ」
「しょうがねーだろ。何もなければ戻ってくるだろうし、矢巾さんとのコンビネーションでどんだけ行けるか見るにも良い機会だ」
「……お兄ちゃんのトス打つとき超気持ち良さそうなのに、強がっちゃって」
「……誰でも、影山のトスの後にあの及川さんのトス打ったらあーなるだろ」
「まあね〜。でも飛雄ちゃん指名したのこっちだし、ちょっとつまんないかも。お兄ちゃんだって、絶対自分でコテンパンに潰したかっただろうしね」
「その分も俺らがやるんだろ」
「そうでした。まあほぼほぼコート外で見てることしかできないけど、飛雄ちゃん見ることくらいはできるかなー」
「できるだろ。つーか彼氏の前で堂々と試合中に他の男見ます宣言してるけどいいのか？」
「大丈夫ー、英君多分その辺理解あるでしょ？」
「まあ気に入らないけど、それが俺らのためでもあるし」
「相変わらず理解良いなお前ら」
「だって影山見てたって惚れるわけないことくらいわかってるし？」
「自信満々かよ。どーですか彼女さん」
「うん、英君が一番だよ？」
「リア充共が……！」
「矢巾さん、落ち着きましょう、こいつら中学時代からこうなんで」
「ますます妬ましい！」
「あのシスコンがよく許したな」
「一緒にいるとき会わないようにしてたので」
「隠蔽してたんだ？」
「まあ納得だな。あいつは何しでかすかわかんねー」
「最悪別れろとか言われそうで面倒で。頑固なんで、一度言い出したら面倒くさいじゃないですか」
「確かに」
「白鳥沢第一志望って知ったときもすごい駄々こねて。がっちりホールドされて青城行くって言わないと離さないとか言い出しました」
「ん？白鳥沢行くつもりだったの？」
「まあ、当初の予定では」
「一応受かってたみたいです」
「マジか……」
「マネージャーも高校でやる予定無かったんですけど、お兄ちゃんも一兄も英君も勇ちゃんもいるしで今やってるわけです」
「なるほど」
「とりあえず及川殴って良いか」
「ごめん一兄、私も及川」
「兄貴の方」
「じゃあ怪我しない程度にお願いします。私だと報復が怖いです」
「よっしゃわかった」
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作者名：リー | 作成日時：2018年4月24日 18時
