SCP財団の一研究員の苦難

カウンセリング　そのいち ページ10

「こんにちは、ギアーズ博士。」
どうやらここはマジックミラーのようなものが使われているらしい。
グラス博士が相対したのは初老と思われる男性。表情が硬く少々怖い。
「こんにちは、グラス博士。」
「前回のカウンセリングから凡そ一ヶ月が経ちましたが、変わりはありませんか？」
「ええ、特には。」
「…。」
グラス博士は胸のポケットから折り畳まれた紙を取り出した。
「ロールシャッハテストをしましょう、もしかしたら何か見えてくるかも知れませんから。」
ロールシャッハテスト…確か、色々な形に見える絵を使った心理テストのはず。子供の頃にやった記憶がある。でもそれが見えてくると言うとはまるで…。
「…不定形なインクの染みですね。」
何も見えていないということなんだろう。
「…本当に？またですか？」
またと言うことはやっぱり前回もこんな感じらしい。この博士、もしや人の心を持っていらっしゃらない…？なんて失礼にも程があるだろうけれど。
「はい。」
「…仕方がありません、では最近身の回りで気になることはありますか。どんな細事でも構いません。」
「そうですね、最近はブライト博士が穏やかなことが少々。」
「あれで穏やかですって！？…まあ確かに、貴方の今まで見てきているのを信じるならそうなんでしょうが…。…わかりました、カウンセリングを終わります。」
一人目だと言うのにグラス博士はぐったりとしていた。

グラス博士の人事ファイル by Pair Of Ducks (作成年2009)  https://scp-wiki.wikidot.com/dr-glass-personnel-file
ギアーズ博士の人事ファイル by Dr Gears(作成年2008)  https://scp-wiki.wikidot.com/dr-gears-s-personnel-file
グラス博士の定期心理鑑定 by Pair Of Ducks(作成年2009)  https://scp-wiki.wikidot.com/routine-psychological-evaluations-by-dr-glass

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