SCP財団の一研究員の苦難

財団での気の持ちよう ページ8

「あーそうそう、君が関わっていた博士死んだから別のところに配属ね。」
は。
あっけらかんと、上司の死を伝えられた。
書類上で見たからこういう反応なのだろうか。
「あのな。こんな細事、一々気にかけていた方が狂っちまう。」
人の死を細事？
声を荒げようとして、それでこの人は自分の生死さえもどうにかできてしまう人だと思い直す。
「怒れる時に怒っておいたほうがいいぞ。殴りかかってくるのは許容できないが、多少の罵倒くらいならここにいる奴みんなしてる。それにここじゃ人間が死ぬなんて日常茶飯事、人が食って寝るくらい当たり前に起きる。それを細事として捉えられなければ、本当に病んでしまう。」
それは、そうかも知れない。だけれどそんな感覚に慣れるのは恐ろしく感じた。
「ここでまともに生きてられると思うなよ？ここにいる奴らは全員イカレてるって事を頭に入れておけ。まあ、「まともでいる狂人」を目指すなら私は何も言わないが。」
それだけだと、新しく配属先になった博士の資料を投げ渡されて、部屋を追い出された。
イカれてる、まともではいられない。確かに、そうかも知れないけれど。
邪魔にならないところに行って資料に目を通せば、人事ファイルのコピーのようだ。
どうやら彼の専門は心理学らしい。
題名は『グラス博士の人事ファイル』。
ブライト博士が言っていた、イカれてるやつとは違いそうな、そんな感じがした。

ブライト博士の人事ファイル by AdminBright (作成年2008) https://scp-wiki.wikidot.com/dr-bright-s-personnel-file
グラス博士の人事ファイル by Pair Of Ducks (作成年2009) https://scp-wiki.wikidot.com/dr-glass-personnel-file

グラス博士との邂逅→←ジャック・ブライト博士

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