SCP財団の一研究員の苦難

二択 ページ5

「先程、我々財団は異常存在を収容していると言っただろう？今は厳重な管理がなされていても、それ以前の状態は分からないことが多い。君の家族や友人を襲ったのもその一つだった。SCP-096、職員にはシャイガイと呼ばれているね。異常性は、そいつの顔を見た時に起きる。どんなに小さかろうと、例えば認識できないほどの大きさ、遠さだったとしても、顔を見た人は殺されてしまう。今回被害に遭った人達の元には、一枚の写真が残されていた。SCP-096の顔が写ったものだ。…不思議そうな顔をしているな。現場で活動した警察と、うちの潜入エージェントが被害に遭ったんだ。それで判明した。幸運だったのは、全世界で流行っているウイルスのお陰で、人間が全く外に注意を向けていなかったことだろう。本当に幸運だったさ。そうじゃなきゃ一家大虐殺どころか全世界の人類が滅びる可能性だって存在していた。勿論、SCP-096は責任を持って再収容したさ。」
異常存在にみんなは殺された？ふざけるな、こんな時に死んでいいような人間は誰一人としていなかった。
それに、どうして私がそんな目に遭う必要があったんだ。
「君の所属している大学に、こちらが要注意と指定している団体の工作員がいた。まだ口を割ってはいないが、恐らくはそいつのせいだろう。」
私の顔を読んだのか、答えがやっと返ってきた。
「気の毒だと、同情されるような状況に君はいるのだろうが、知的好奇心を満たすための研究、或いは身内の事件によって、君はそういう世界に人知れず足を踏み入れた。我々はそれを見過ごすわけには行かない。一応、選んでもらおうか。」
ずい、と一歩前に出て私の前で人差し指を出した。
「我々財団の研究員として大人しく雇用されるか、」
中指を立てて2になった。
「ここでそれを蹴って、この後を棒に振るか。」

ブライト博士の人事ファイル by AdminBright (作製年2008) https://scp-wiki.wikidot.com/dr-bright-s-personnel-file
SCP-096 by Dr Dan(作製年2010) https://scp-wiki.wikidot.com/scp-096

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