働かない、頭。 ページ27
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部屋に入ると、優しい香りに包まれた｡
でもそれは一瞬のことで｡
すぐに甘い匂いと錆びた匂いの絡んだ
嫌な香りがした
本当はそんな事はなくて、そう考えてしまう俺のせいなんだけど、
ここに入るたび、想い出と香りに包まれるようで､
でも［それ］は
俺を押し潰しているように思えた。
一歩。また一歩。
踏み出した分だけ心臓を強く掴まれている苦しさを感じた｡
誰がどう見てもぐちゃぐちゃの部屋
この部屋だけ
時間はあの時のまま
荒れた部屋も
壊れた椅子も
Aの心をそのまま写したものだったってこと。
壁にも机にも付いた黒い跡も
あたり一面に落ちている黒い跡の付いたティッシュも
全部Aの抑え切れない本音だってこと。
鈴村「でも、さすがにこれは片づけんとアカンやろ、、」
そのままにしておけば
知ることはなかった
この選択は
間違いだったのか､なんて
わからない
鈴村「机の上の跡は拭けば落とせるな、
引き出しの中は、、
、汚なっ
これはだめやろ、、」
引き出しには大量の紙。
Aが描いた、絵。
一言で言えば、『美』としか言えない､
上手な、上手な､絵。
鈴村「額にいれて飾ろうか、、←」
なんて､呑気な考え。
鈴村「ん？奥、なんかある、、」
コツ、
爪の先に何かが触れた。
鈴村「ん、瓶？､､ｯｯｯ!!!!」
手にとった瓶｡
入っていたのは
真っ赤な液体｡
そのまま震える手で瓶を元の場所に戻し
パタン
引き出しを閉じた｡
ガチャ。
焦る心に
うまく動かない体
働かない頭。
この日の記憶は
この事だけでいっぱいで
あとのことは全然､覚えていない。
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澪(プロフ) - コメントありがとうございます！自分のペースで、気ままに頑張ります！（笑） (2017年3月9日 2時) (
レス) id: 16cf7c9958 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - とても面白いです！これからも頑張ってください！ (2017年3月7日 21時) (レス) id: e7e3279450 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 何かありましたら是非。 (2016年12月30日 17時) (レス) id: 16cf7c9958 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪@aiiro | 作成日時：2016年12月30日 12時
