君にみえるもの [４]

━２━ ページ3

数日後...



貴｢朝のご遺体､青森から来るって｣



それぞれに準備を進めながら
今日のご遺体についての説明をしていく｡

どうやらこの前の事件の時に
UDIラボの事を知り
何があったら頼もうと思っていたとか...


という事はつまり､何かがあったとう事なのだが...



夕｢広報効果絶大！！

あ､広報効果と言えば...週間ジャーナル！｣



夕子のタブレットに映し出されていたのは
以前担当したはちみつケーキの事件についての記事だった｡

この記事のおかげで
従業員の皆さんは救われたとのこと｡



ミ｢でもこの写真誰が撮ったんだろう｡｣

貴｢さぁ？従業員の人じゃない､普通｡｣

ミ｢だよね｡｣



まぁ本当は､目の前にいる久部くんが
この写真を撮っているのを真隣で見ていたから
知っているのだが､
久部くんにも色々あるのだろう｡と口に出すことは無かった｡



中｢青森から着たぞ｡｣

貴｢はーい｣


話を聞いていない2人をおいて
私は中堂さんの背中を追いかけた｡



⋆ ･⋆ ･⋆ ･⋆




鈴｢あの...鈴木巧です｡｣


神｢電話でどうも...所長の神倉です。｣



そのまま解剖室へ運び入れようとしていると
巧さんが止め､もう一度中の奥さんの顔をみる｡


とても綺麗な顔だった｡


巧さんは奥さんの頬に手を寄せて
覚悟を決めるように深呼吸をした｡






⋆ ･⋆ ･⋆ ･⋆


旦那さんである巧さんは
釣り人の目撃証言により警察が自 殺だと判断したものの､
“妻が自 殺するはずはない”と今回の依頼に至ったという｡



六｢事故 死ならいいですね〜｣


貴｢でも溺 死の判断って難しいからね〜
自 殺だろうとなんだろうと､死 因は全部溺 死だし
法医学的所見は同じだから｣


ミ｢電話でも説明したんだけど｣


中｢自 殺だろうと他 殺だろうと溺 死は溺 死で所見は同じだな｡｣


自分の用意をしながら澄ました顔でいう彼に思わず


貴｢それ､さっき私が言いました｡｣



なんてツッコミをいれる｡

そんな事をしていると5人の準備は整い解剖室に入る｡

━３━→←━１━

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す