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駄菓子が30と1つ ページ32

「河井ーはよー」

「おはよー」

「なんで俺たちは夏休みなのに学校に行かねばあかんのだろうね?」

「ホントにね。」

夏休み真っ盛りな中での登校日の日だった。
下駄箱で出くわした友人の鈴木と軽い会話をしながら教室に向かう。


「そういや、祭り行ってた?」

「…いや? その時ばあちゃんちにいたから。」

僕の地域で夏に行われる、最大規模の夏祭り。それに参加したかと鈴木に聞かれた。
当然僕は行っていない。


「あ、河井の作品は代わりに見てやったからな。安心してくれ。」

「どこに安心しろと。」

あの祭りは僕の学校の周りでするから、僕らが祭りに参加するために作品を作らされる。
その作品が祭りで飾られる訳だ。

夏祭りの話もほとほどに、今度は宿題の話に切り替わった。

「宿題どんくらい終わったー?」

「全部終わった。」


「…ん? なんて?」

「全部、終わった。」


「…………えぇ……後で見せて。」

「イヤだ。」

「はぁ!? 見せてよ! お願い、河井様〜」

終わった宿題を見せてくれとせがむ鈴木に呆れた視線を送る。
鈴木の野郎は、今日提出分のものですら、終わっていないらしい。
僕はこいつの内申がどうなっても知らぬ存ぜぬで通そうと思う。

まあ、結局は押しに負けて宿題を見せてしまった訳だけど。


「あ、河井。残りの夏休みのどっかで遊ぼうな!」

「オッケー」

鈴木と遊ぶ約束まで取り付けられた訳だけど。


今日の登校日については、特になにも、という感じだった。
友人同士で夏祭りのことやらどこに出掛けたやら宿題が終わらないやら。そんな話をするくらい。
本当に何故わざわざ夏休みに登校しないといけないのか、という文句ばかりが出てきた。


この登校日が無ければ、ばあちゃんちにまだ泊まれてお兄さんと話せたのに。


僕は冬が早く来ないかと待つばかりだった。受験という不安に煽られながら。


畜生、夏休みの間にもう一回島に行けないかな。

……僕らしくないことするのはやめとこう。

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設定タグ:BL , 男主 , 年の差   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…!(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひぃ | 作成日時:2019年2月25日 21時

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