駄菓子が10と9つ ページ20
「こんにちは〜」
夏の暑さにグダグダとしていた僕の耳に、遠くで爽やかな挨拶が聞こえた。
ばあちゃんは、今から来る母さんを迎えに行っているため不在だ。だから、留守を任されている僕が来訪者の相手をしないといけない。
よっこらしょ、と爺臭い起き上がり方をしながら、店に出た。
どうせ客はお兄さんだし、遅くなっても文句は軽く済むだろう。
「あ、Aくん! いやあ、昨日は来ることが出来なくてすまないね。」
案の定お兄さんだった。
えへえへと頭を掻きながら謝罪している。
…なんか、僕がお兄さんに来てほしいってことになってないかな？ いつそんなこと言ったっけ
「別に」
「えぇ…？ もう少し寂しそうにしてくれていいからね! …あ、寝癖ついているよ」
と言いながら、僕の髪をふわふわと触ってくる。優しく触ってくるものだから、頭を撫でられているかのような錯覚が起きた。
そもそも、この行動は寝癖を直してくれようとしているのだろうか。
ずっと触られているから、だんだん恥ずかしくなってお兄さんの手を退けた。
そして、自分の手で跳ねているだろう髪の毛を抑えた。
「幸さんは？」
「ばあちゃんはいない。今日母さんが来るんだよ。その迎えで。」
「Aくんの、お、お母上が…！？ あ、挨拶しないといけないね！」
「なんで？」
僕の母さんが今から来ると伝えた途端、興奮して話すお兄さんに率直な疑問をぶつけた。
「こんなに仲良くしているのに、私を紹介してくるないのかい…？」
捨てられた子犬のような少し潤んだ目で縋るように訊かれて、うっと言葉が詰まる。
いい大人が…
苦虫を噛み潰したような表情でお兄さんを見た後、ため息をついた。
「変なこと母さんに言わないでよ？」
「言うわけないじゃないか。」
また、だらだらと過ごしていると、バイクが店先で停まる音が聞こえた。
ばあちゃんは、バイクに乗って船着き場に行っていた。時間的にもばあちゃんが戻ってきたんだろう。母さんと一緒に。
「Aー来たよー」
この声は100%母さんだ。
店の外から顔を覗かせた母さんと、視線がかち合う。母さんは、お兄さんの方へ視線を移動させた。
「…あれ？ 滝谷さんもいらしたんですね」
「はい。お邪魔しています。」
母さんが店に入ってきて、お兄さんと話し出した。
母さんがお兄さんの名前を知ってることに驚く。それに少し親しげだ。
……あれ、知り合いだったの？
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壱(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (
レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…！(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひぃ | 作成日時：2019年2月25日 21時
