『どうもこんにちわっ太宰治の異能力ですっ』

その後ー。 ページ23

A視点

あの後探偵社の方々に事情を説明した。

治が亡くなってしまったことにみんなとても悲しんだいた。

そんな中俺はある人に声を掛けた。

乱歩さんだ。

もう一つあった手紙には乱歩さんも治が好きだったことや、治の遺産処理、遺物などについて等死んだ後の整理についてだった。

手紙には

乱歩さんも私のことを好きみたいだよ。

としか書かれていなかった。

もし、そうなら俺と始めて会った時乱歩さんはどう思ったんだろう。

自分の好きな人と同棲してる奴なんだからムカついたのかな。

嫌いだって思ったのかな。

そんなのも知らずにいたお詫びとして俺は乱歩さんにあげようと思ってるものがあった。

太宰の仕事道具だ。

太宰と同じ会社に勤めていた、乱歩さんだし、乱歩さんも太宰の事が好きなら、最後にそれくらいは。と思う。

A「あの、乱歩さん。実は渡したいものがあって。」

乱歩「ん？何〜？」

乱歩さんの目は俺と同じく真っ赤に腫れていた。

A「これ。治の仕事道具です。乱歩さんに貰ってほしくて。」

ネクタイとかもあったから普段使いも出来る筈だ。

乱歩「っーこれ。太宰の遺物だよね？僕が貰っていいの？だって太宰は君のことr」

乱歩さんは多分治が俺を好きだと言おうとしたんだと思う。

でもそう言う乱歩さんは今にも泣きそうで、俺は遮るようにして言った。

A「治が仕事で尊敬していたのは乱歩さんですので！」

乱歩さんは震える手で治の道具を取り、抱きしめ声を出して泣いた。

俺も釣られて泣いて、探偵社の皆さんも泣いて、みんなみんなで泣いて。

スッキリしたら、皆さんとお別れをした。

これから先俺は働く所を探したりして長い時を1人で過ごさなくちゃいけない。

出来るか、分からないけど…。

ギネスに乗るくらい長生きをしたい。

だって速く向こうに行っちゃたら治は怒ると思うんだ。

実は寂しがり屋の治だから、寂しくさせるかもだけど、治の最後の願い。幸せに生きること。

達成してから笑顔で逝くんだ。
　
だから、暫くバイバイだ。

憎らしくみえるこの世界。

けど、今は愛おしい。

治が居た世界だから。

そう考える事が出来たのは治のおかげ。

俺の見上げる空は青空だ。

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