イナズマイレブン――影のヒロイン―― (ページ16)

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第七話：後半ページ16

「キャーッ！！」

　試合が始まってすぐ、落ちてきた鉄骨であがった悲鳴(ひめい)だ。
　さいわい、ケガ人は一人もいない。

　つもる話でもあるのか、帝国と雷門イレブンの対話(たいわ)が長かったが、この鉄骨が関係していた――。
　だれもがそう、気づいたであろう。

　影山という男が捕まり、試合は続行する流れとなった。

　試合が始まるとボールは雷門にわたる、チームワークによるパス回しで、なかなか帝国はボールにさわれない。
　もちろん。
　強力なシュートを放つであろう、鬼道と佐久間――ゴーグル、眼帯(がんたい)をつけた二人の少年をマークすることも忘れていなかった。

「チッ、こざかしいやつらだ」
「フッ、それだけやつらが成長してきたということだろう」

　雷門が回すボールをとりに行こうとすると、必ず一人が立ちふさがる。

「だが、このままでは終わらないさ」

　鬼道のゴーグルがキラリと光る。
　今がチャンスだと、白いお面をかぶった小柄な少年――洞面がしかける。
　あっという間にボールがうばわれてしまった。

　ボールは寺門へ。
　負けじと雷門は必殺技を使うが、かわされてしまう。
　ゴール前まで走った寺門がボールをけりあげる。

　寺門の『百列ショット』だ！円堂はおそれもしない。

「『ゴッドハンド』！ ……よし！」

　円堂がシュートを止めたことに、Aはほっと胸をなでおろした。

「みんな！どんどん攻めるぞ！」

　円堂の宣言(せんげん)通りに彼らは、帝国のGK源田に何度も必殺シュートを打ち続ける。

「円堂！来い！」
「おう！豪炎寺！」

　ゴールを守っていた円堂が、相手チームのゴール前へと走って行く。
　二人の足からビリビリと電流が走った。
　同時に二人がけったボールは、電気を帯(お)びたまま、まっすぐゴールを目指す。
　これが――伝説の必殺技、『イナズマ１号』。

「そうはさせるか！『フルパワーシールド』！……ぐわあぁぁ！！」

　源田が、必殺技で食い止めるが力およばず、雷門に得点が入った。
　その後(ご)、雷門のねばり勝ちで、雷門イレブンは最強の帝国を打ち破った――。

「おめでとう。兄さん、円堂、みんな……」
「やりましたっ！やりましたよ！みなさん！」
「よかった……。土門くん、円堂くん、みんな……」

　A。春奈。秋。
　今までの努力がむくわれたことにそれぞれ、心と体が熱くなる。
　雷門への試練はまだまだ続く――。