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気付いてはいけない。 ページ7

Kiside







温もりが離れる。






流れる沈黙。





今までにみたことのない藤ヶ谷の表情。


「お……だの……ん………な?…」

俯き加減に藤ヶ谷が言った。

「え?何聞こえない。」


「ううん。何もない。」



藤ヶ谷が駆けていく。









聞こえないって言ったけど、俺には確かに聞こえた。




俺はやっぱただのお隣さんだったのかな。



聞いたことのない声色で確かに。

確かにあいつはそう言った。









ただのお隣さんなんかじゃない。

一番大事な人だよ。

親友だし、相棒だし…









好きな人だよ。









守るためにしたことが逆に傷つけてしまうなんて…









俺はただ藤ヶ谷の表情と香りと温もりを思い浮かべることしかできなかった。

作者より→←誰かに盗られるくらいなら



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作者名:北山ちぇりとま | 作成日時:2017年9月19日 1時

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