微笑み…82 ページ34
「ごめんA。玲奈借りたいんだけど……」
「あ、いいよ大丈夫」
「本当ごめんね」
少し時間が経ってからやはり店が混んできたようで玲奈を呼びに声がかかった。混んできているのに私を呼ばないのは、それだけ気遣ってくれているということなのだろうと思う。と言うかそう思いたい。うん。
「無理しないでね」
「うん」
軽く手を振ってきた玲奈に微笑みながら手を振り返す。やっぱり相当心配をかけているらしく、その事に少しだけ申し訳なくなってきた。……早く戻んないと
ベンチから立ち上がり出入口の簡易扉の取っ手に手をかけた時
「あ、影山」
「……おう」
目の前の扉が勝手に開く。その先に彼が立っていた。何か物でも取りに来たのかと思い道を譲るとどうやら用があったのは私らしくベンチに座るように促され、結局ベンチに逆戻りになってしまった。
「どうした?なんかあったの?」
「……お前が、心配、だったんだよ」
「……ありがとう。心配してくれて」
たどたどしく伝えてきてくれた影山に笑みを返す。
「でもそろそろ戻んないとだからさ」
ベンチから立ち上がる。影山はこっちを向いてはくれなかった。
「だから、行くね」
そう言って再び出入口に向かって歩き出した時、腕に感じる圧迫感と共に、前に進めない。驚いて後ろを向くと、今度はぱちり目が合った。
「行くのかよ」
「え?うん。いつまでも心配かけてちゃ嫌だし」
「……行くな」
「え?」
私の腕を掴んだまま、影山が立ち上がる。今まで見下ろす体制だったのにあっという間に見上げる体制になってしまった。
無言のまま見つめ合う。影山の顔が、あまりにも真剣で目を離すことができない。
「えっと……なんで?」
「また、同じような状況になったらどうする気だよ」
「いや、あんなの中々無いでしょ。大して美人でもない私が」
そう言った途端、握られた腕に更に痛いくらいの力がこもった。思わず眉をひそめる。しかしそんな反応をしても影山の力が緩むことは無い。
「美人だからそうなったんだろ!!自覚しろよ!」
「は?」
「だから嫌だったんだ。お前の、メイド服姿なんてっ一回見た時からそうだ。ずっと頭から離れねえ!」
かなり大きな声で叫ぶ影山は物凄く大それたことを言っていることに気づいてないようで、更に言いつのる。
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クロエ・カナリア(プロフ) - 小遥さん» あ、ありがとうございます!実は最近かなりいそがしくて久し振りの更新です(笑)2月までは更新できない日も続きますが、そう言っていただけるとかなりはげみになります!!これからもよろしくお願いします! (2016年1月4日 20時) (レス) id: 739077dc5d (このIDを非表示/違反報告)
小遥 - この作品面白いですね!私ハイキューの影山大好きなんで!!応援してます!!頑張って下さい! (2016年1月4日 20時) (レス) id: 54435abd29 (このIDを非表示/違反報告)
クロエ・カナリア - 赤い消火器さん» ありがとうございます!更新頑張りますね! (2015年6月15日 22時) (レス) id: 9647c78a26 (このIDを非表示/違反報告)
赤い消火器 - この作品大好きです!!更新がんばってください! (2015年6月15日 21時) (レス) id: d27eb85fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロエ・カナリア | 作成日時:2015年3月4日 10時