微笑み…72 ページ24
あの時の影山の反応を思い出すだけで、息が苦しくなる。
料理とかを作る裏方にまわらせてくれないかなぁ。なんて思うが今からでは無理だろう。なぜもっと早く考えなかったのか自分のあまりのアホさに嫌気がさして来る。おまけにこないだの決まり行事となってきたバレー部との帰宅時に影山に世間話をするようなノリで『好きな人いる?』と聞いた過去の私をぶん殴りたい。ぶん殴って全力で止めたい。目線を逸らして何かを、と言うよりかは誰かを思い浮かべたような顔をして『……さぁな知らねぇ』なんて言った影山。表情がわかり易いほど変わった訳では無いが、その言葉と少し思いつめたような感情を押し殺した瞳を見れば、分かる。
好きな人、いるってことでしょう……?
情けないが、その時目頭がどうしようもなく熱くなってしまったことを覚えている。涙がこぼれるのはなんとか抑えたが、笑顔がなんとなくぎこちなくなってしまった。もう、ここまできたら認めてしまうしかないのだろう。
「好きってことだよねぇ」
試着室から出ながらそんなことを言った。なにが?なんて聞かれたが、適当なことを言って流させてもらったのは仕方の無いことだと思ってもらいたい。
「じゃあAのメイド服はこれで決まりね」
「あーはいはい。分かった分かった」
「なんだその適当なノリは」
「そりゃあ自分が着るってなったらねぇ。他の可愛い子ならテンション上がるんだけどさ」
「大丈夫。美人だよ」
「ありがとう。お世辞でも嬉しいよ」
「お世辞じゃないよー!」
「はいはい」
脱いだメイド服を渡し軽く髪を整える。もう悩んでたって仕方ないんだから腹を括るしかない。とりあえず、視点を変えてみようか。
あの影山の好きな人ねぇ。一体どんな子なんだろう。可愛いのかな?もしくは美人?でもあの影山を惚れさせるくらいなんだもんなぁ。性格がいい感じ?でもたぶんバレーのことある程度は知ってないとたぶん興味湧かないよな。
うんうんと考え込んでいたときに教室の扉がバンっとド派手な音をたてて開けられた。自然とそちらの方を向くと
「Aさん!やっと見つけた!」
「あ、涼先輩」
はぁっはぁっと激しい呼吸をしながらもキリッとした表情を決して崩さないこの麗しき生徒会長の登場シーンは何故いつもいつも突発的なものなのだろうか。
「なにかありました?」
「なにかって!今日は曲の練習日だって言ったでしょう!?」
「あー確かに聞きましたけど」
遅れて行くって言いましたよね?
- 金 運: ★☆☆☆☆
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クロエ・カナリア(プロフ) - 小遥さん» あ、ありがとうございます!実は最近かなりいそがしくて久し振りの更新です(笑)2月までは更新できない日も続きますが、そう言っていただけるとかなりはげみになります!!これからもよろしくお願いします! (2016年1月4日 20時) (レス) id: 739077dc5d (このIDを非表示/違反報告)
小遥 - この作品面白いですね!私ハイキューの影山大好きなんで!!応援してます!!頑張って下さい! (2016年1月4日 20時) (レス) id: 54435abd29 (このIDを非表示/違反報告)
クロエ・カナリア - 赤い消火器さん» ありがとうございます!更新頑張りますね! (2015年6月15日 22時) (レス) id: 9647c78a26 (このIDを非表示/違反報告)
赤い消火器 - この作品大好きです!!更新がんばってください! (2015年6月15日 21時) (レス) id: d27eb85fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロエ・カナリア | 作成日時:2015年3月4日 10時