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「駄目、全然鬼の気配がなかったよ…。」





あれから数時間は経ったであろう。





小鳥遊さんがひたすら歩いてその後を私たちが隠れながら追う、傍から見たらさぞかし怪しいであろうその作戦は一旦中止になって三人で今一度集まっていた。





「一花ちゃん足疲れてない?よかったら俺がおぶっていくけど?!うぃひひっ」





我妻くんは体をくねくねさせながら小鳥遊さんにそう声をかけていた。





「ううん、大丈夫だよ善逸くん。心配してくれてありがとうね。」





大抵の女の子が引いてしまうであろうその行動にも、小鳥遊さんは動じることなくいつもの素敵な笑顔で返していた。





「我妻くん、私足痛い。おんぶ。」



「は?」





我妻くんの羽織の袖をクイクイと引っ張りながら 私も とそうねだってみたが、我妻くんが頷いてくれるはずもなくその行動は無意味に終わった。





「とりあえず、鬼を斬るまではここの町で張り込みって形でいいかな?」



「そうだねぇ。近くに宿もあるっぽいし、今日は一旦切り上げてまた明日の夜任務遂行ってことで。」



「宿空いてるといいんだけど…。三人分空いてるかなぁ…?」



「もっ、もし二人分しか空いてなかったら、俺は一花ちゃんと同じ部屋でもいいよぉ〜!!」



「ふふっ、もう善逸くんったら。とにかくまずは宿へ行こう?」








「………。」





完全に二人きりの世界に入っている会話を耳に入れながら、私はあることに気がついて一人焦っていた。





ない、ない、ないない…!





隊服のスカートのポケットにいつも入れている、お気に入りのはんかちが無くなっていることに気がついた。





両方のポケットを裏返してみても、はんかちが出てくることはなかった。





…どこかに落としたのかなぁ。うーん。





はんかちの行方が気になりすぎて、少しずつ二人の声が遠ざかっていっていることに私は全く気がつかないでいた。






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陸→←肆



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みゅら(プロフ) - 続きないですか? (2022年3月7日 21時) (レス) id: 8eac0840d4 (このIDを非表示/違反報告)
秋冬(プロフ) - つ、続き〜... (2022年1月4日 5時) (レス) @page35 id: 1ebc893394 (このIDを非表示/違反報告)
すず - 続編はもうありませんでしょうか? (2021年8月5日 21時) (レス) id: 64dcc4aa44 (このIDを非表示/違反報告)
里依奈(プロフ) - 終わりになっているのですが、続編ってありますか?ありましたら教えてほしいです。図々しくすいません。 (2021年6月9日 16時) (レス) id: 7beb4687f6 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉(プロフ) - ことみさん» さりげない優しさ、最高ですよね(/ω\)これだから夢主ちゃんは好きをやめれないわけですね|ω`)フフフ… (2021年4月3日 20時) (レス) id: ce933b78ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐倉 | 作成日時:2020年12月30日 22時

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