我妻くんが求婚してくれない【我妻善逸】

参拾肆 ページ35

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結局その日は、それ以降我妻くんには会えないまま次の日をむかえた。




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きよちゃん代理二日目の今日、天気は快晴。


神崎さんに頼まれ、蝶屋敷中の布団や衣服などの洗濯物を庭に干していた時だった。





｢…！我妻くんっ、｣





庭から廊下を歩く我妻くんの姿を発見し、これから干そうとしていた洗濯物を手に持ったまま我妻くんの元へと駆け寄った。





｢我妻くんおはよう。今日はいい天気だね。｣





そう声をかけると我妻くんは足をとめてくれた。





｢うん、そうだね。｣





我妻くんはそう言うと、ふわ〜っと大きなあくびをしながら少し寝癖のついている頭をポリポリとかいていた。





｢蝶屋敷(ここ)に泊まったんだね。私てっきり藤の家にいったのかと思ってた。｣





｢ん〜、伊之助心配だったしね。｣





あれでもまあ怪我人だし…と付け加えて何やらブツブツ言っている我妻くん。





そんな姿を見ながら、朝から我妻くんと話すことができて私は幸せ者だなぁ〜とのんきに考える。





ありがとう嘴平くん…、と心の中で嘴平くんにお礼を言っておいた。





｢…椎名さん仕事中でしょ？頑張ってね。｣





一人ほわほわとしている私をよそに、まだ眠たそうな目で私の手元を見ながらそう言った我妻くん。





｢あ、ありがとう…！あの、我妻く____｣





今日こそは我妻くんをお礼という名のお出かけに誘うんだ…！





そう意気込んで名前を呼ぼうとした時だった。





｢_____あっ、善逸くん、Aちゃん、おはよう！｣





どこからか、またもや私の言葉を遮る声が聞こえてきた。





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