我妻くんが求婚してくれない【我妻善逸】

参拾 ページ31

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距離をとった私を不審に思ったのか、我妻くんの顔がこちらに向いた。





｢さっきから疑問に思ってたんだけど…｣





そして我妻くんは口を開いたかと思えば、こちらを指さしながら





｢…その服なに？｣





と首を傾げた。





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｢……えっ、あ、この服？｣





まさか急に服装をつっこまれるとは思っていなかったので、反応に遅れた。





実は今、私は隊服の上からしのぶさんに借りた割烹着を着ていた。





『隊服を汚しちゃいけないので、これを着ていてくださいね。』





そう言われ渡された割烹着は、神崎さんが身につけているものと同じだった。





｢…うーんと…、実は_____｣





気になって仕方がない様子の我妻くんに、私は渋々口を開いた。





小鳥遊さんと一緒に花を飾ったことから、きよちゃんにぶつかってしまって代わりにお手伝いをすることになったということまで、これまでの経緯を全て話した。





｢____と、いうことなんです…。｣





一通りの説明を終え、我妻くんの顔をチラッと見てみると、我妻くんは眉間に皺を寄せてこちらをじっと見ていた。





｢きよちゃんを怪我させたの？｣


｢！｣





我妻くんに痛いところを突かれ、心臓がギュッと何かに掴まれたような感覚になった。





｢……うん、思い切りぶつかっちゃって…それで…｣





我妻くんの顔が見れなくて、俯いてそう返事をした。





我妻くん、絶対怒ってるよね…。



自分勝手な理由で一方的に怪我させるなんて、最低だよね…。





我妻くんからの痛いほどの視線が怖くて、俯いたまま両手でぎゅっと箒を握りしめていた。






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