我妻くんが求婚してくれない【我妻善逸】

拾伍 ページ16

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｢チュンチュンッ、チュンッ｣





｢んん……。…もう朝…｣





チュン太郎の鳴き声で目が覚め、ゆっくりと上半身だけ起こした。





左を見てみると幸せそうな顔ですやすやと眠っている我妻くん。





さらにそのまた左には、我妻くんと同じようにすやすやと幸せそうな顔をして眠っている小鳥遊さんがいた。





…昨夜は何を話してたんだろう。





気になって仕方がないけど、どうせ聞いたところで教えてはくれないのだろう。





｢チュン太郎、よく眠れた？｣


｢チュン、チュン！｣


｢そっかそっか。良かったね。｣





気を紛らわすためにチュン太郎に話しかける。





よしよしと頭を撫でてやると気持ちよさそうに目を細めるので、それがまた本当に可愛い。





まだぐっすりと眠っている我妻くんと小鳥遊さんを起こさないよう、静かに布団を抜け出して隊服に着替えにいった。





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｢私はこれから師範に報告しなくちゃいけないことがあって一旦蝶屋敷に戻るんだけど、二人はどうする？｣





支度を終え三人で宿を出ると、小鳥遊さんは私たちにそう聞いてきた。





…うーん、どうしよう。





昨日鬼は倒したため、この町にもう用はない。





鴉からの伝達も何もないため、今は非番状態。




まだ今日は始まったばかりだけどなんだか疲れてるし、藤の花の家紋の家探してそこで少し体を休めてようかな…。





…よし、そうしよう。





そうと決め、その旨を伝えようとした時だった。





｢椎名さん、蝶屋敷で頬の傷消毒してもらいなよ。｣





急に隣から我妻くんがそう声をかけてきた。





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