二十六話【忘れる】 ページ28
「ここよ！いい匂いでしょう？」
女性の体臭という物は男性よりあまり臭わない。その上、強くもなく、丁度良い香水の匂いがするので居心地が良い。
サンプルがあるの、といって可愛らしい戸棚をガタガタと音を立てている。
「ほら、これよ！」
取り出した香水を、ｼｭｯと私達の目の前で香水をかける。
「わっ……いい匂い」
クラーク君が思わず呟く。
匂い的には……木々や香木を感じさせるような匂いだ。
「ウッディ系かな、落ち着いた匂いがするね」
ナイエルさんは少し驚く。
「正解。濃度は薄めなのに、良く分かったわね。」
正解の様だ。
ふと、クラーク君が口を開ける。
「…ウィラの香水は不思議だよね。こんな良い香水を売ったら一目おかれるかも」
ごくり、と息を飲んで。「香水を売る……？」独り言の様に呟く。
「それは、”ウィラ”が……だって！”私”はｯ」
様子が可笑しい。それはクラーク君も同じようで。
「……ナイエルさん？」
私が話しかけると、はっと我にかえる。
すると、私達に押し付けるように香水を渡す。
「こ、これ！ほら、貰ったらすぐ帰る！」
「え、あっナイエルさんありが……」
礼をいう前に部屋から追い出された私達は、少しだけ見つめ合って、カードゲームをするべく、部屋へ戻った────────
「危ない……」
彼女の事は知らせてはいけない。
一刻も早く、忘れるように。
期限の無い、忘却の香水を─────
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第五愛(プロフ) - 一作で終わらせようとしたのに……二作目の予定になりそうです。心理の答長編になりそうなので何卒よろしくお願い致します。 (2020年3月4日 0時) (
レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
第五愛(プロフ) - ｱﾑｶﾘさん» ご心配ありがとうございます……！ｱﾙｶﾘ様もどうかお身体にはお気をつけてください……！ (2020年2月29日 23時) (レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
ｱﾑｶﾘ(プロフ) - 作者様もお気を付けてください…！ (2020年2月29日 23時) (レス) id: 16831434ed (このIDを非表示/違反報告)
第五愛(プロフ) - 皆さんコロナにはお気を付けて……。 (2020年2月29日 18時) (レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
あめ - 更新されてるか毎日確認するくらい好きです！待ってます！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 88aab0d57f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：第五愛 | 作成日時：2019年11月7日 17時
