# 先輩の愛し方 . [inym]

# 嘘つきの御守り . Rside ページ43

「ねぇ、それって…」


「あ、それ…」


「ん？」



有岡さんが指をさしたのを見て明人までが反応するのは俺の胸元。

何かと思いながら胸元を見ればあの日先輩から貰ったネックレスがライトに当たって青と赤のストーンが綺麗に反射していた。



「あぁ。先輩から貰った。先輩のフェロモン？がストーンに入ってるらしくて、これ付けてれば先輩すらも襲われないからって。
御守りだって言われた。」


「え…？本当にそう言ってた？」


「聞き間違いとかしてない？」


「別になかったと思うけど。なに？」



チャリンとネックレスを指で引っ掛けて、有岡さんと明人が見れるように引っ張りだす。

すれば、有岡さんと明人はお互いに目を合わせて、俺の方を見た。



「それ、確かに涼介の言うこと大体は合ってる。御守りって例えるのも、まあ間違ってはないんだけどさ。」


「うん。」


「その御守りっていわれたネックレス、本当は 仮の番ｰツガイｰ っていう意味なんだよ。」


「へ？仮の、つがい？」


「涼介、本来のツガイは分かるよね？」


「ああ。項を噛まれたらーってやつだろ？」


「その通り。んで、そのネックレスは、それ自体を表してる。
つまり、それを付けている人物とストーンに入れられたフェロモンの持ち主がツガイだという意味なんだよ。」


「え……じゃあ、俺と、先輩って…」


「うん。山田くんと先輩くんは今、仮のツガイになってる。」



さっきからずっと衝撃な内容過ぎて頭が緩くなっているけれど、大まかな事は把握出来た筈だ。

簡単にいえば、今俺がこのネックレスを付けている限り先輩と仮であれツガイになっているということ。

その事にぶわりと胸が熱くなると同時に、何故そんなことをしたのかと不思議に思った。



「何で、先輩がこんなことしたんだろ。」


「そりゃあ、涼介とツガイになりたいからでしょ！」


「いやいや。それはないよ。だって先輩とあの日から一度も会ってないもん。完全に避けられてる。」



今まで気分が沈んでいたのはこれだ。
先輩からばいばいという言葉を掛けられた日以降、話すこともなければ目線すら合わない事実。

確実に俺を避けているとしか思えなかった。



「鈍感、っていうか、馬鹿だよねぇ、涼介って。」


「はっ！？なんだよ鈍感って！馬鹿って！」


「これに関しては明人くんに同意だな。うん。」



2人して眉間へ手をやる姿に唇を突き出しながら睨むと、しょうがないといった顔で話し始めた。

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