あなたサイド ページ16
ドアの前で立ち止まりノックするニノ。
部屋の中からジャニーさんの「入りなさい。」という声。
あ「失礼します」
顔を上げるとそこには、、、
私の肩越しに部屋の様子をうかがった翔くんの息をのむ音が聞こえる。
翔「お父さん・・・」
翔父「翔、遅かったな。
父さん、ずっと待っていたんだぞ。」
翔「なんで、ここに・・・？」
翔くんのお父さんは、横に置いてある鞄をあさり、黒いものを取り出した。
一番近くにいるジャニーさんが目を見開き、一歩退く。
ジャニーさんは机の上にある受話器をつかみ、電話をかける。
目の前で起こっていることが信じられなかった。
まるでテレビの中に居るような・・・
状況についていけなくて、ぼんやりしていた私の視界の端で、翔くんが崩れ落ちた。
翔「お父さん、どういうつもりっ！？」
悲痛な叫びが部屋に響き渡る。
遠くから聞こえるサイレンの音がだんだん大きくなる。
翔父「お前は今までに2人殺しただろう？
それでは中途半端じゃないか。
だから私も死んであげよう。
私はお前のために死ぬんだ。
お前はまた一人、人を殺すんだ。
家族全員殺す悪魔め！！！！！」
そう言って手に持った拳銃をこめかみに当てる。
事務所の玄関辺りが騒がしい。
想像以上に早い到着だなー、でももう間に合わないだろうなー、、、なんて
いやにのんびりしている頭に
目の前の状況は現実として認識されなかった。
廊下を走るたくさんの足音。
それを聞いて、お父さんは、
口の片端を器用に上げて、
翔父「翔、よく見ておくんだぞ」
そう言って、引き金を引く・・・
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作者名：12345 | 作成日時：2018年6月4日 22時
