あなたには私がいる (ページ12)

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あなたサイドページ12

翔「僕が小学校に入学する前、
　母と兄と僕で公園に行ったんだ。

　兄は、何においても僕よりも優れていたから、
　母も父も兄の方をかわいがってた。
　
　だから、僕、ずっと羨ましくて・・・
　兄よりも僕のほうがすごいんだってお母さんに見せたくて・・・
　
　だから、キャッチボールのときに、
　わざとボールを兄が取れないように投げたんだ。

　狙い通り兄はキャッチできなくて、
　ボールを追いかけていった。

　でも、そのボールが道路に出て、
　道路を飛び出した兄と、兄をかばおうとしたお母さんは死んじゃった・・・」

あ「辛くなったら、やめていいからねっ！？」

話しながら
どんどん震える翔くんの体と
荒くなっていく息に
何もできない自分がもどかしくて、
ただただ翔くんの細い体をかき抱く。

翔「ハアッハアッ・・・
　・・・大丈夫・・だから・・・」