あなたには私がいる (ページ11)

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あなたサイドページ11

いつもトレーニングしている場所だから、
どこをどう走ったらいいかくらいは把握してる。

すぐに裏山を出て、人通りの少ない路地を駆け抜け、私の家についた。

ジャニーズに入る前は、孤児院にいた私。

入所後、ジャニーさんが一人暮らしには広すぎる立派な家を与えてくれて、
今はそこに一人で暮らしている。

翔くんをソファにおろし、タオルケットを掛けてあげる。

夏とは思えないような翔くんの震えに、
どうすればいいのかと焦って、
とりあえず温かいお茶を入れて渡そうとする。

でも震えてる翔くんの手は湯呑を支えるには危なっかしすぎて、
私の手を添えて、一口飲むのを手伝った。

それ以上何をするべきかわからなくて、
翔くんの隣りに座って翔くんの背中をなでる。

しばらくして、沈黙を破ったのは翔くんだった。

翔「聞かないの？」

私「何を？」

翔「あれが誰だったのか。」

私「あー、うん。
　確かに気になるけど、翔くんが辛いんだったら言わなくてもいいよ。」

翔「ううん、僕は大丈夫。」

私「じゃあ、聞いてもいい？」