君と俺との赤い日々。

#40 ページ41

ー1年後ー

広輔side

本日は快晴、絶好のデート日和なり。

お。ようやく来たか。

「田中さん!すいません待ちましたよね」

「いや、俺も今来たとこだから…ってホラホラ『田中さん』じゃないでしょ？」

「あっ！こっ、『広輔さん！』」

お前も来月から『田中さん』になるのにそんなんで大丈夫かー？とちょっとからかうような口調で言ったら顔真っ赤にしちゃって。

もうほんと可愛いんだから。

俺達は来月に入籍して、俺の家で二人ぐらしを始める予定だ。

一緒に住むのはすぐにでも良かったんだけどなんにせよ彼女は『赤』にトラウマがある。

付き合い始めてから根気強く、少しずつ『赤』は怖くないと理解させていく。

相当大変だっただろうけどAもすごく頑張ってくれたんだろうなあ。

そんな彼女の努力の甲斐もあり、日常生活はもちろん、ついにはマツダスタジアムに試合を見にこれるくらいまで『赤』を好きになってくれた。

他の選手とも普通に話せるようになっていつもキクや丸に「Aちゃんみたいな可愛い子に広輔とかマジで勿体無い」って言われ続けてるみたいだ。

まあ確かに。

「広輔さんどうしたの？」

不思議そうに首をかしげてくるこの超絶かわいい小動物は俺には勿体無いくらいだよ。

「いや、いつも通りAは可愛いなーって」

「も、もう！」

そうやってそっぽ向いて照れる所、あのときと全然変わってないな。

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