【あんスタ】不本意ですが今日から蓮巳になります。

蓮巳さんとご対面 ページ2

「君がAちゃんだね？初めまして、蓮巳 敬吾です。
君の事は彼女、お母さんから聞いているよ。」
『どうも初めまして、朝霧 Aと申します…』
「そんなに畏まらなくて良いよ。今日から家族になるんだからね」
『あはは…』

お香の香りが充満する和室で座布団に座らされた私は例の再婚相手、蓮巳さんと初めて顔を合わせる。
お母さんが言う様に蓮巳さんはかなりの美形でそこらへんのアイドルと並んでもおかしくない程だ。

「A、今日から朝霧じゃなくて蓮巳になるのよ。
学校の自己紹介の時に間違えないようにね。」

そう幸せそうに笑顔で指摘するお母さん。
そうか、私もう朝霧じゃ無くなるんだ。
結構この苗字気に入ってたのにな。

『蓮巳…か』

言っちゃ悪いけど古臭い苗字。
まぁお寺の人だし仕方ないか。

「ところで敬人君はいないの？」
「あぁ、敬人なら本堂の掃除をしてくれているよ。
本当にあの子は幾つになっても律儀な子だ。」
「Aとは大違いね！」

敬人君。蓮巳さんの話振りからして息子さんなのだろう。

…待って、という事は私に兄弟が出来るって事？

『その「敬人君」って私の兄弟になるんですか？』
「あぁ、そうなるね。
この前Aちゃんの事を話したら興味津々だったよ。
いつ来るんだ、どんな子なんだ、って。本当に敬人は可愛らしい子に育ったよ。」
『へぇ…！』

一人っ子な私にとって兄弟という物は憧れの1つでもあった。

どんな子なんだろう。
可愛らしいって言う位だから小さいのかな。

ふつふつと「敬人君」の想像が膨らんでいく。
さっきまでの苛立ちなんてどこかへ行ってしまった。


「そうだ、顔合わせも兼ねて会いに行ってあげてくれないかい？きっと喜ぶと思うよ。」
『！』
「そうよ、兄弟になるんだから仲良くなって来なさいよ」

そうだよね、いつまでもウジウジしてても仕方ないよね。


__『うん！行ってくる！』

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