NO.81 ページ46
付け足すように言った天君の言葉に、これ以上にない程顔が赤くなって、ブンブンと両手を振りながら否定する。
「そ、そういう訳じゃっ!…く、首筋だったから。」
最後の言葉は途中で小さくなってしまったが、天君は聞こえたようで何を思ったかクスッと笑った。
「君がそういうなら僕は別に構わないよ。ただ仕事に支障を出さなければ、いくらでも恋愛して貰ってもいいし。」
「天!そういう言い方はないんじゃないか!?」
注意した龍さんを見た後、そのまま楽屋を後にしてしまう天君の瞳は、何処か怒っているようで、私はその背中をじっと見つめていた。
「…A、俺が首筋にキスしたのはファンを喜ばせようとか、そういう理由じゃねえから。お前以外だったらあんな事しねえし。」
真剣に私の目を見て言った、楽の言葉の意味が何となく分かって、私はまた顔を赤くしていく。
頭を一撫ですると、そのまま楽も楽屋を去っていった。
取り残された私と龍さんは、微妙に気まずい空気の中一度立つ。
「…楽のあれって、…告白、だよね…?」
「…どうなんだろう?」
恐る恐る聞く龍さんに曖昧に言葉を濁して、私は楽屋を出る。
「…龍さん、今日はありがとうございました!」
「うん。またね!」
笑顔で手を振ってくれる龍さんは「あ!」と声を上げて追ってきた。
「どうしたんですか?」
「…ははは。俺も此れから帰ろうと思ってたんだ。」
苦笑いを浮かべた龍さんは頭を掻きながらそう言って、その言葉に私も苦笑いを溢した。
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、 - オリジナルフラグ外して下さいね (2018年4月3日 14時) (レス) id: c77a0f506a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月神姫 | 作成日時:2018年4月3日 11時