『初恋の誓い』【八乙女楽】「第二部」 (ページ41)

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パシャパシャというカメラ特有の音が聞こえる度、白いライトが光り輝く。

色んなポーズを決めながら撮っていけば、あっという間に終わってしまう。

少し疲れたのでスタジオの端で休憩していれば、千さんも終わったのか隣に来た。

「お疲れ。相変わらず凄かったよ。」

千さんは毎度ながらも必ず褒め言葉をくれる。

全然嫌な気はしなく寧ろ嬉しいものの、正直私自身はもうちょっと出来たんじゃないか…とか考えてしまい素直に喜べない。

もしかしたら千さんが褒めてくれるのは、それを分かっているからなのかも。

何かと目が利いてよく気付く。けどそれは百さんも同じだった。

「ありがとうございます！千さんも凄く良かったですよ？」

「そこは格好良いって言って欲しかったな。」

　

冗談交じりで言った千さんの言葉を真に受け「格好良かったですよ？」と何故か疑問系になってしまえば、笑いだした。

どうやら浅いツボに入ってしまったみたいだ。

「君ってほんとに正直だよね。」

　

笑いすぎで目にうっすらと涙が浮かんでいる千さんは私を見る。

「そうですか？」

　

よく分からず首を傾げればまた笑われてしまうのだった。

撮影の途中で事務所から帰ってきたおかりんに二人を任せ、私は足早に家へと帰る事にする。

百さんにもちゃんと挨拶はしました。