NO.54 ページ19
私達に視線を向けながら駆け寄ってきたのは十さんで、恐る恐ると言った風に聞いてくる。
「えっと、君は桜野Aさんだよね?」
「はい!そうですよ!知ってるんですか?」
TRIGGERのメンバーの一人が私の事を知っていたとは、感激だ。
十さんはいつもにこやかだが、今は更に眩しい笑顔を見せている。
「知ってるもなにも、俺ファンなんだよ!」
「え、ええ!?」
思ってもみなかった返答に声を上げてしまうが、正直凄く嬉しいので自然と顔がにやけてしまう。
「あ、ありがとうございます!」
90度のお礼を何度も下げて涙を流している私に少し驚いた様子になる十さんは、ポケットからハンカチを出してきた。
「ほら、泣かないで?」
小さな子供をあやすように私の涙を拭いてくるので、思っていた通りとても優しい人のようだ。
「十さんっ!大好きです!!」
私は嘘が吐けない性格なせいか、思った事も大体口に出してしまう。
顔を赤くして動揺を隠しきれていない十さんは、ピュアで女の子みたいだ。
そんな姿を微笑ましく眺めていると、後ろから腕を引っ張られた。
こんな事をするのはこの中では一人しかいない。
「…っ、楽。」
怒っているような、悲しそうな視線を送ってくる楽に戸惑うが、それよりも掴まれた腕に目がいった。
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、 - オリジナルフラグ外して下さいね (2018年4月3日 14時) (レス) id: c77a0f506a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月神姫 | 作成日時:2018年4月3日 11時