NO.51 ページ16
してみてハッとその恥ずかしさに気付いた。
しかも友達と言ってしまった事が何よりの恥ずかしさだ。
昔の私の知り合いという訳であって、今の私とは仲が良い関係じゃないのかもしれないのに。
「す、すみません!」
慌ててシロツメクサの冠を取ろうとしたが、それは叶わず手を掴まれてしまった。
吃驚している私を他所に、手を引っ張って抱き寄せられる。
ぎゅっと効果音がつくくらい強く抱き締められるので、私は固まってしまう。
顔に熱が集中して、これまでにないくらい顔が赤くなった。
「…やっぱり諦められない。お前が俺の事を忘れてても、俺はAが好きだ。」
「…っ!」
真っ正面からの告白に唖然として顔を更に赤くしていく私は、心臓が大きく高鳴ってこれ以上ない程恥ずかしくなっている。
八乙女さんは、抱き締めていた手を離し私を見る。
「8年間も好きだったんだ。今更記憶がないくらいで諦めきれねえよ。」
「…八乙女…さん。」
熱っぽい彼の視線がとても優しくて、気付いたら口にしていた名前。
「楽でいい。敬語もなしな。」
「ええ!?……っ、…楽…?」
頑張って呼び捨てで呼ぶが、妙な感覚を覚えた。
初めて呼んだ名前で相手は年上なのに、不思議と違和感を感じない。
寧ろ、それが当たり前のような気さえした。
145人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
、 - オリジナルフラグ外して下さいね (2018年4月3日 14時) (レス) id: c77a0f506a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月神姫 | 作成日時:2018年4月3日 11時