番外編 ページ40
〈花火大会〉
パタパタと急ぎ足で走るAは少し焦っていた。
それもその筈。
今日は一週間程前に楽と約束した花火大会の日だ。
大勢の人達の中を潜り抜け、待ち合わせ場所へと向かっていたが、着ている浴衣のせいで上手く走れないのだ。
更には容姿だけでも整っているのに、それに加えて浴衣はとても綺麗なので一際目立っている。
勿論そうなると声を掛けられる事も多い訳だが、その大半はナンパだ。
今まさに男が笑みを浮かべてAに近寄っている。
しかもAは平均より身長が高く、美少女と言っても大人びていた。
年齢を間違えられる事はよくあるが、その誰もが話せば年齢より逆に若く見えてしまう。
「なあ、そこのお姉ちゃん。」
「?私ですか?」
「そうそう。君可愛いね。俺と遊ばない?」
明らかにナンパと言っていい程の言葉に普通は気付くが、Aに普通は通用しない。
普段なら笑顔で着いていってしまうが、今回は楽と遊ぶ約束をしているのでそういう訳にはいかない。
「ごめんなさい。私先に約束している人がいて…」
申し訳なさそうに謝るAだが、相手はそんなのは気にしていない様子だ。
「そんな奴より俺の方が楽しませてあげられるよ?」
しつこく言ってくる男は遂にAの腕を掴むが、それはもう一人の腕に阻止される。
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琳架 - オリジナルフラグを外してくださいね。 (2018年3月17日 12時) (携帯から) (レス) id: c9d4810d09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月神姫 | 作成日時:2018年3月17日 12時