NO.35 ページ37
背負っていたリュックの一番前のポケットから、とても綺麗なシロツメクサのネックレスを出してきた。
「俺とお揃いのやつだ。大事にしろよ?」
勿論と言うように大きく頷いて嬉しそうにする姿に、楽は微笑む。
するとAも楽に向き直った。
"私も楽に贈りたいものがあるんだ!"と言って初めて歌って見せた時のように立つ。
「…贈りたいもの?」
疑問を抱いたが、Aの緊張しながらも真っ直ぐな瞳に大体想像がつき、しっかりと見つめた。
そして、また凛々しい表情に変わる。
__桜舞い散る季節に君と出会った__
__それから沢山笑った 宝物の時間__
__幸せという言葉は魔法の言葉__
__だから君に贈る 私の分の幸せを__
__一緒に居てくれて ありがとう__
歌って踊る、一年前とは違う姿とその歌詞、全てに楽はいつの間にか涙を流していた。
流石に驚いたAは心配そうに楽を見つめる。
泣くのはプライドが許さないというような感じの楽が泣いた事にAは動揺するが、楽は"悪い"と一言言って顔を背けてしまった。
そうこうしている内にお別れの時が来て、最後に約束をしてAは母が待つ車へと走っていく。
この時はまだ気付かなかった。
これから起きる最悪の出来事に___
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琳架 - オリジナルフラグを外してくださいね。 (2018年3月17日 12時) (携帯から) (レス) id: c9d4810d09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月神姫 | 作成日時:2018年3月17日 12時