NO.33 ページ35
不思議と、恥ずかしさなんてものは感じない。
ただ悲しみだけが心を支配する。
「…無理して笑うなよ。」
力強く言った楽に、Aは我慢出来ずまた泣いた。
それは、楽の腕の中があまりにも安心するものだったからなのかもしれない。
幼い子どものように泣きじゃくるAを、楽は抱き締めたまま、何も言わずにいた。
暫くして泣き止んだAの目を真っ直ぐと見つめ言う。
「…俺は、何がなんでも凄いアイドルになる。…だから、Aも絶対に凄いアイドルになれよ?」
"そしたら絶対会える"そう言った楽の瞳は、とても強い光を秘めていて、Aは頷いて笑った。
「絶対なるよ!私、楽より凄いアイドルになる!」
「はは。俺よりかよ?それは無理だろ。」
小馬鹿にしたように鼻で笑う楽にむきになり、"絶対なるもん!"と強く言うA。
それを見て更に笑う楽は、そっとAの頭に手を置く。
「期待してる。」
目を細めて優しく微笑んだ楽に、胸が高鳴るようにドキッとしたが、Aも満面の笑みを向けて言った。
「うん!」
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琳架 - オリジナルフラグを外してくださいね。 (2018年3月17日 12時) (携帯から) (レス) id: c9d4810d09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月神姫 | 作成日時:2018年3月17日 12時