魔界にある学院には皆に愛されている女子がいます！

騒ぎの理由【貴方side】 ページ35

女子生徒１「ちょっと！Sランクの皆さまが
勢揃いだわ……ッ！」


その悲鳴を皮切りに、興奮のざわめきが
沸き起こる。


女子生徒１「六人がお揃いになった
ことなんて、いつぶりかしら！」

女子生徒２「私は昨日、魔獣退治を
されているところを見たわ！」

女子生徒１「ずるいですわ！どうして
私にも教えてくださらなかったの！？」

クロ「な、なんだか皆さんの注意が、
ご主人さまから逸れたみたいですね」

ユウ「うん……」

クロ「大丈夫ですか？すこし、
顔色が悪いです」

ユウ「……うん。平気」

『………ユウちゃん…』


さっきの事を気にしているのか、
顔色が悪いユウちゃんを見つめる。


リオ「あれ？なんで玄関にこんな人が
集まってんだ？」


リオはホットドッグを食べながら、
トーマと並んで階段を降りてくる。
鷹揚な足取りのリオは、ユウちゃんと
目が合うと、驚いたような顔になった。
そして、びしょ濡れの私を見て更に
驚いた顔をする。

リオはガイ達を見ると、一瞬だけ
思案の表情を見せた。


リオ「なんだなんだ？グルメ祭りでも
開催されるのか？」


少し声を大きくしたリオに注目が集まる。
そのタイミングで、トーマが新しい
ホットドッグを差し出しながら
リオに続く大きな声で言った。


トーマ「なんか昨日の魔獣騒ぎ、
転入生さんが犯人じゃないかって噂で
盛り上がってるみたいっすね」

リオ「はははっ、なんでそんな作り話が
ひろまってんだ？
少し考えれば分かりそうなもん
だけどなー。
ユウは、オレと一緒に初級魔法の
講義受けてんだ。
魔獣の召喚なんて高等魔法、
使えるわけないだろ」

『！』


……ふふ、流石はリオね。

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