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「(え、?うそ…)」
リエーフの汗の中に、ほんのり混じった柔軟剤の匂い。
男の子にこんなにぎゅっとされるなんて、初めての体験だから…心臓がさっきから、いつもの二倍くらい早く鳴っている気がする…。
頼むから、リエーフにどきどきしてること、伝わりませんように!
っていうかまだ離さないのかな!?
すると、
170センチのあたしを、まるでぬいぐるみのように抱き寄せる彼は、しばらく黙ったあとにこう言った。
「Aは、ひんやりして気持ちいいね…」
言えなかった。あたしが冷たいんじゃない。キミが熱すぎるだけだって。
たくさん走って、笑って、飛んで…
真剣に、だけどとても楽しそうにバレーをするキミの体温は、とてもあたたかい。
でもね。
冷え性のあたしには、その温度がちょうどいいんだ…
一気に押し寄せる感情で頭がぐるぐる…嬉しいのかな、切ないのかな。うまく区別ができない。
そんなことを思っていると、リエーフが、パッと私を解放した。
「ありがと!元気出た!」
「そんな…」
思わずその場にへたり込んでしまう。
ずるい。ずるいよ…
あたしの気持ちも知らないで…
秋が近づき、冷え始める夜に、
さっき感じていた肌寒さはなくて、
あたしの身体には、好きな人の体温だけがずっと、ずっと、残っていた。
…。
「(…ん?何か忘れてる気が…)」
…あ。
「夕ご飯!!!」
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たかな(プロフ) - ライグリールさん» ありがとうございます!! (2020年7月30日 6時) (レス) id: 73a36fd221 (このIDを非表示/違反報告)
ライグリール - すごい…リエーフがかわいい…!おもしろかったです! (2020年7月27日 21時) (レス) id: 10ffdced2d (このIDを非表示/違反報告)
たかな(プロフ) - 夜空さん» コメント、とっても嬉しいです!!読んでくれてありがとうございます!!! (2020年2月21日 21時) (レス) id: 76ca1e95bd (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - すごく面白かったです。リエーフ君、カッコいいッ (2020年2月20日 19時) (レス) id: abc6410102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:TANAKATUKI | 作成日時:2020年2月7日 3時