12話 ページ14
目が覚めると私は見覚えのある場所にいた。
ここは、閻魔御殿と言って前世の職場だ。
だが、御殿は私がいた時より酷く荒れていた。
廊下は真っ赤に染まっており、裁きの間(流れてきた魂を天国行きか地獄行きかを決めるところ)は見るも無惨に切り裂かれた魂が大量に転がっていた。
裁きの間のさらに奥へと進むと、閻魔の椅子がありそこには何かがいた。
よく見てみると、それは前世で私が封じたはずの餓鬼がいた。
餓鬼は、魂を食らう鬼で食われた魂はもう二度と転生することができず生命の理から抹消される。
こいつのせいで、一時期この世の生き物たちが激減したことがあった。
私は天界からこれを解決するように命を受け原因であった餓鬼を封印した。
それなのになぜ餓鬼が復活しているのだ？
あれは強固な封印だったはすなのに…。
どうして………。
取り敢えず餓鬼を止めないと！
A「おい！餓鬼！！」
椅子に座っている餓鬼に向かって私は大声で叫んだ。
こっちの声に気づいたのか餓鬼はこちらを見た。
すると、餓鬼はニヤリと不敵に笑い出し、何かを私の前に放り投げた。
私はそれを見て言葉を失った。
私の前に放り投げられたのは、四天王たちだった。
A「ｯ！！みんな！！！」
私はぺいんとたちに駆け寄った。
餓鬼と戦ったのだろうか？みんなあちこちに痛々しい傷があった。
A「みんなッ！だいじょ………ぶ……？」
手当てをしようと体に触れたときすごく冷たかった。
私はハッとし、餓鬼のほうを見た。
餓鬼は不敵に笑ったまま手の中にあるものを私に見せびらかすように弄んでいた。
A「ｯ！！返せ！！！」
そこにあったのはぺいんとたちの魂だった。
餓鬼は魂を１つ掴み自分の口の中へ運んでいった。
A「ダメｯ！！やめてッ！！！」
私が手を伸ばしても餓鬼には届かず、餓鬼は魂を食らった。
A「ｯ！！イヤァァーーーー！！！！」
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作者名：ミツルギ | 作成日時：2022年5月8日 2時
