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──全集中 水の呼吸 捌ノ型 滝壺!!
──全集中 岩の呼吸 肆ノ型 流紋岩・速征!!
──全集中 風の呼吸 捌ノ型 初烈風斬り!!
──全集中 炎の呼吸 伍ノ型 炎虎!!
ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!
耳をつんざくような爆発音が轟く。
視界を覆い尽くすほどの砂埃が舞い上がり鬼舞辻の姿が見えなくなる。
が、刀を握る4人の手には確かな手応えがあった。
(入った──!)
確信と同時、砂埃からビシャッと血が噴き出して血の雨が降る。
「……ッ!……すーはー」
攻撃が通じた事実に気持ちが昂るが、癸七子は即座に深呼吸で気を引き締めた。
(ここからが本番だ)
ズッ──刀を引き抜き、くるりと空中で身を捻って柱たちの元へ着地する。
間髪入れず地面に片手をつき、呪力を流し込んだ。
(──爆!!)
そう強く念じれば、鬼舞辻の落下地点の地面が爆発し、爆炎と爆風が奴の肌を炙る。
続けて背中から短刀を抜きざま【飛鏡・八刀】を放ち頸を狙う──が、ギィン!と弾かれる音が爆発音に紛れて耳に届いた。
八本の短刀が四方の地面へ突き刺さる。
そして、ドン!!ととてつもない風圧を吹き荒らしながら鬼舞辻が地面へ降り立った。
一気に晴れた砂埃と煙。
そこには
刀傷も、火傷もどこにも見当たらない。
一瞬で、回復されたのだ。
(……まあ、これくらいじゃ殺られるわけないわな)
癸七子はその光景を当然だと受け入れ、刀を構え直した。
視線の先には目を潰されそうなほどドス黒い怒りと苛立ちの色。
これをひとりで放っているとは、流石は鬼舞辻と言うべきか。
(不死川さんの怒りなんかそこら辺に転がる石に思えてくる)
なんて場違いなことを考えていると、横にいた不死川さんが動き出──す直前、ピタリと止まった。
恐らくしのぶさんが“思念通話”で動くなと言われたのだろう。癸七子は内心、安堵のため息をはいた。
(ナイスですしのぶさん。鬼舞辻の気配の色からして……こちらから動いていたら、全滅確定だった)
確信はないが、直感がそう告げていた。
たとえは悪いが、鬼舞辻が爆弾ならばさしずめ私たちは導火線につける火といったところだ。
それを回避するためには……攻撃を受け流し、返し技を放つしかない。
つまり攻撃を受けなければならないということだが……
(想定の範囲内だ)
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雛月りな(プロフ) - 白黒虎さん» わあああありがとうございます!今日中に更新出来ると思うので楽しみにしててください!応援ありがとうございます!! (2019年11月26日 12時) (レス) id: 6c5cdc2389 (このIDを非表示/違反報告)
白黒虎 - 早く続きが読みたいですが、出来るまで待ちます!!頑張ってください!!! (2019年11月26日 6時) (レス) id: 126a3885c8 (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - むいたん!さん» コそう言って頂けてすごく嬉しいですし、書く原動力になります!コツコツ更新できるように頑張ります。 (2019年11月24日 22時) (レス) id: 6c5cdc2389 (このIDを非表示/違反報告)
むいたん! - 内容が濃くて凄く面白いです!次の更新楽しみにしています!♪ (2019年11月24日 10時) (レス) id: 9146c62b5e (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2019年10月3日 2時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛月りな | 作成日時:2019年9月29日 18時