その願いは… ページ37
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ミツバ「私ね、こうやって誰かと手を繋いだり抱き合ったり、お洒落の話したりしたかったの」
『うん。お洒落の話は分からない事だらけだけど頑張るよ。
手を繫ぐのも、抱き合うのも私がやるよ』
少し遠慮がちに言うミツバさんの抱きしめて、片方の手を取って握ると、ミツバさんは腕の中で幸せそうに微笑んだ
ちょっとだけ、ミツバさんの体が温かくなった。
『あとは?』
ミツバ「それから、好きな食べ物交換しあったり、食べさせてもらったり、」
『好きなものかぁ…私は基本そういうのないからなぁ…。
じゃあミツバさんにさっき剥いたリンゴ食べさせてあげる』
ミツバ「ふふ、ありがとう」
照れくさそうにリンゴを食べるミツバさんを眺めながら、ミツバさんの好きな食べ物の話を聞いた
勿論全部めちゃくちゃ辛いものばっかだけど。
幸せそうに話すミツバさんの声は止まらず、どんどん早口になっていく
ミツバ「それから…、それから……、総ちゃんと近藤さんとっ、ケホッ…」
『……そろそろ休もうか。横になろ』
興奮しすぎたのか、咳込み始めたミツバさんを落ち着かせるように言ってゆっくりとベットに寝かす
大人しく横になるミツバさんに毛布を掛けると、袖をクイッと引っ張られた
『ん?どうし―』
ミツバ「十四朗さんを…、お願い…」
……驚いた。ミツバさん、本当に土方の事を……。
額に汗を浮かばせながら言葉を続けるミツバさんに目を見開いて固まってしまうと、袖を握る力に少し力が込められる
ミツバ「皆を…お願い。
Aちゃんにしか頼めないの…。
男の人達と並んで渡り合えるAちゃんにしか…」
“あの人達を…”小さな声で必死に頼むミツバさんの震える手を優しく握るとコクリと頷いて見せる
『…任せて。アンタの弟のことも。近藤さんの事も。
……土方の事も』
だから安心して、ゆっくり休んでて。とだけ言うと、座ってた椅子から立ち上がる
……さて。まずは屯所帰りますか。
ミツバ「もう行っちゃうの?」
『うーん…本当はもうちょっと此処に居たいんだけどね。急用思い出してさ』
ミツバ「気をつけて帰ってね」
『うん。ミツバさんもお身体に気を付けて』
お互い見えなくなるまで手を振ると病室をそっと出た。
“十四朗さんを…、お願い…”だなんて。あんな顔で言われちゃ断れねーわな。
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バナナ(プロフ) - honoさん» お待たせしてごめんねぇぇ…すごい時間かかったけど戻ってきたよぉ、お話書くの頑張るねぇ……。コメント、ありがとございますぅぅ!! (9月12日 15時) (レス) id: 25349aa23d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ(プロフ) - み○きーさん» うわぁぁあん、こんなに長くお待たせしてしまってごめんなさぃぃ…続き待っててくれてありがとぉ……コメントもありがとぉぉ…… (9月12日 15時) (レス) id: 25349aa23d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ(プロフ) - よのやさん» たいっっへん長らくおまたせしましたァァァ!!!ミツバ篇、感動の回になるようにお話を考えますので、何卒、何卒ぉぉ…!あったかいコメントありがとうございますぅぅ!! (9月12日 15時) (レス) id: 25349aa23d (このIDを非表示/違反報告)
hono - このお話、大好きです︎🫶🏻更新待ってます!! (2023年4月10日 2時) (レス) @page38 id: 7d61f04700 (このIDを非表示/違反報告)
み○きー - 続き楽しみです!待ってま〜す! (2023年3月31日 22時) (レス) id: e1b7b0a3ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バナナ | 作成日時:2022年4月6日 21時