女だけど真選組総長やってますが何か？ ４

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ｼｭｩｩと煙を上げる壁を脂汗を掻きながら見るモジャモジャ男

その視線が私に戻ると、精一杯の笑顔で問いかける




『住所、名前、職業を3秒以内に答えろ ^^』



坂本「坂本辰馬二十代独身、宇宙で商売人をやってるものです」



早口で述べられた情報をスラスラと紙に書き留める
既婚か未婚かは聞いた覚えはないけど取り敢えず書いておいた


宇宙で商いをしているなら、宇宙船に乗っているのは当然のことか

と一人で納得して顔を上げるとサングラス越しに目が合う




『それじゃあ坂本さん、これから屯所の方でこれからどうするか話し合いたいんだけどいいか？』


坂本「そりゃ困るぜよ。
儂は地球に用があって来たっちゅうのに」



『そう言われてもなぁ·····』


基本こういう時は取り調べを優先するべきだが、困ったように眉を下げる坂本さんにちょっと同情する



坂本「そうや、近いうちに宇宙でも優秀な大工を送るきに。
そいつ等に直してもらったらええ」


「ちょっと待ちな。
修理代は誰が出すんだい、費用だってバカにならないんだよ」


坂本「金なら儂が出す。
この店も儂が壊してしもうたき、せめてもの償いをさせてくれんかの」



『だってさ。どうする？女将さん』


そう問いかけると、顎に手を当てた女将さんは考え込む
暫くしてそういえば、と言葉を零した




「前に行ってみたい旅館があったのよねぇ。
店が直るまでの間そこで過ごせればいいんだけど」


坂本「分かった。儂が手配しちょこう」


「店に最新式のキッチンも入れたいって話もあったかしら」


坂本「なるほど、儂から伝えとく」


「露天風呂もあると良いんだけど、いいかしら」



坂本「流石にそれはやりすぎじゃなか····」



「いいわよね？？」



坂本「アッはい」



流石何十年もの歴史がある老舗を守る女将、お強い


こりゃ店が直る頃には豪邸になってるだろうな
出来上がりが楽しみだ

両者の意見が一致したということで、私はペンと紙をしまって帰る準備をした





「ちょっと。
まだ帰ってもらっちゃ困るよ」



『なんだよ女将さん。
修理代出してもらえる上に豪華な旅館に泊まれるんだろ？
それで了承したんだからこれでいいじゃん』


「いいわけあるかい。
あそこ見てみな」




そう女将さんが指差すのは路上に散らばるたくさんの瓦礫





「こんな散らばってちゃ通行人に迷惑だ。
アンタとあの商人で片付けな」






再び増えた仕事に気が遠くなる
これってボーナスつくかな

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