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人通りが収まって静かになった甘味処
客は私以外いなくなって、広くなった腰掛けにかけてある番傘の影を陣取って座る
番傘の下から空を見上げれば、相変わらず沢山の船が空を行き交っている
その様子を団子を齧りながら眺めていると、ヒュルルルルルルと燕が飛ぶ様な音が鼓膜を揺らした
「ちょっとAちゃん、なんか変な音が聞こえないかい?」
『きっと誰かが花火でも上げてるんだよ。天気いいし』
「馬鹿ねぇ、こんな明るいうちに花火上げるやつなんか居ないよ。煙しか立たないじゃないか。
それに、段々此方に近付いてないかい?」
『じゃあジェット機つけたおっさんが口笛吹きながら飛び回ってんだ』
「んなわけあるかい。
というか近づくっていうか落ちてくるみたいな音だけど」
『じゃあ、船が空から落ちてきてんじゃねーの?』
私の一言に、女将さんも言った本人の私も黙ったので急に沈黙がおりる
「·····そんな訳無いでしょうに、全くもー。
アッハハハ!」
『だよねー。いくらなんでもこんな所に船が落ちるなんて有り得ないよねー、アハハハ――――――――
____ドガシャァァアァァァァァァァァァァ!!
······は?』
沈黙を破って笑いあった私達の後ろで、大きな音を立てて店が壊れ、掛けてあった看板の欠片が足元に転がる
バッと後ろへ振り向くと、女将さんと旦那さんが過ごしている二階の屋根に小型の宇宙船が刺さっていた
一階には大量の瓦礫と木材が散らばっている
?「アハハハッ、こりゃめったのう。出られなくなってしもうた。
誰か助けてくれんかのう」
瓦礫の山から男の笑い声が聞こえた
見れば、店に突っ込んで来た宇宙船の持ち主であろう男の長い足が生えているように瓦礫から出ていた
どうやら頭が抜けなくなって困ってるらしい
私はその瓦礫の山に登って赤い足の元まで行くと、ガシッと掴む
?「お?誰だか知らんけど助けてくれるがか?
そりゃ助かる―――――――」
『おぅらァァァァァァ!!』
?「ぎゃぁぁぁァァァ!?!?」
その脚を思いっきり引っこ抜くと、遠くの方ヘぶん投げた
悲鳴を上げて地面に落ちた男は、あいたたたと頭を擦る
揺れる茶色いモジャモジャに、白いモジャモジャしたぐーたら男を連想した
やっぱりモジャモジャは碌な事を起こさない
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バナナ(プロフ) - RIOさん» しまったァァァ!!お嬢ちゃんとおりょうちゃん間違ってたァァァ!!!間違いの指摘ありがとうございます!!他にも間違いがありましたら是非教えて下さい!こちらこそ辰馬さんの大事なシーンをぶち壊してしまい気を悪くさせてしまったら大変申し訳ございませんでした! (2022年4月10日 0時) (レス) id: 9fef7d0f5b (このIDを非表示/違反報告)
RIO - コメント失礼します。すごく好きですこの話!あと坂本さんの名前、龍馬じゃなくて辰馬ですよ。それとなんで夢主のこと「おりょうちゃん」って呼ばれてたんですか?たしか、おりょうちゃんはお妙さんの同僚の方だった気が…(気を悪くされたら申し訳ありません) (2022年4月9日 23時) (レス) @page50 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
バナナ(プロフ) - ちょこれいと。さん» ありがとうございます!更新がかなり不定期なので迷惑を掛けますでしょうが、これからも応援宜しくお願いします! (2022年2月20日 16時) (レス) id: 9fef7d0f5b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれいと。 - コメント失礼します!深夜に一気見しましたが、とても面白かったです!これからも応援するのでゆっくり、バナナさんのペースで頑張ってください! (2022年2月20日 2時) (レス) id: 0778896131 (このIDを非表示/違反報告)
バナナ(プロフ) - 零さん» こちらもコメント嬉しすぎてわーーーってなりました!面白いと思っていただけて良かったです! (2022年1月17日 20時) (レス) @page26 id: 9fef7d0f5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バナナ | 作成日時:2022年1月16日 14時