9歳 ページ10
Aはグルッペンの横に座り、いつも通り国の事や軍の事についての勉強を教えていた。
いつも通りといえばいつも通りなのだが、グルッペンの様子だけいつもと違った。いつも真面目に勉強をするグルッペンだが、頬杖をついて｢はぁ……｣と小さくため息を漏らす。
これにはAも不思議に思った。
｢今日はいつもより元気がないようだが、どうした?｣
｢オスマンが外交官の研修でオスマンママと西の国に行ったから｣
｢あぁ、そういうことか。寂しいのか｣
｢寂しいとは言ってない｣
9歳で研修とは中々早いものだと思ったが、この時代だ。それくらい早くやっておいた方がいいのだろう。ザビエラは数日前、実際に仕事を見てもらうためオスマンを連れ西の国へ行った。
それがグルッペンはやけに寂しかったらしい。だが、Aに図星をつかれ、恥ずかしくなり目を逸らした。
｢そうだな……。ボタもそろそろトントンに仕事を体験させるって言ってたな……｣
Aが肘をつきそう呟くと、グルッペンは｢俺は父さんの仕事小さい時から見てる気がするな｣とこちらも呟いた。
｢お前が見ていたのはほんの一部だ。それ以外は……。ほとんどが戦争だ｣
戦争、という言葉をAは低い声で言った。いくら戦争が好きで、その子供も武器塔が好きだったとしても直接的に人の死関わったことの無い自分の子。
｢俺はそれを見せて貰えないのか?｣
人を殺したことも無い。
｢お前はまだ9歳だ。人の死に関わるにははやすぎる｣
一応彼も1人の子を持つ親。人の死を見ることで武器、軍、親への思いや見方が変わってしまうかもしれない。
｢ゾム。ゾムなら人の死に関わったことがある。人を殺す感覚なんかは何度も聞いたことがある｣
｢聞いて想像するだけなんて誰でも出来る。実際にやれば、きっと変わってしまうぞ｣
何時になく真剣な声でAは続ける。｢まだ早い｣｢まだ教えていない｣。それを聞き続けたグルッペンにも限界は来たようで
ガタッと立ち上がりAと目線がバッチリとあう
｢父さんは俺の心配ばかりしている!別に今人を殺すわけじゃないし総統が自ら闘いに入ることはないんだろ!?父さんが好んで行ってるんだろ!?そんなに言うなら俺は闘いに入らず死人を最小限に抑える作戦を立てる!｣
初めて自分に怒鳴ったグルッペンのその威圧にAは目を丸くした。
｢昔1度だけ戦争に連れて行ってくれた事もあったのに……｣
そこまで言うと、ついにAが折れた
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はげわし(プロフ) - ルリさん» 返信遅くなってしまい申し訳ないです!続編出しましたので是非そちらからお父さんの今をご覧下さいー! (2020年4月19日 12時) (
レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - 感動して泣いてしまいましたっっ！お父さん生存だといいな…… (2019年12月1日 0時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
はげわし(プロフ) - snowさん» 呼んで頂きありがとうございます!お褒めの言葉とても嬉しいです(｀・ω・´) (2019年11月10日 21時) (レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 最初面白いのに最後泣けるとか最高かよぉ…(ТДТ) (2019年11月8日 21時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
はげわし(プロフ) - ライクさん» どうぞどうぞー!完成したら是非1度見てみたいですー! (2019年10月1日 23時) (レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はげわし | 作成日時：2019年8月7日 17時
