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4歳 ページ5

「父さん!行ってきます!」
「はい。行ってらっしゃい。ケガしないように、あまり遅くならないようにな」
「はーい!」
少し前までよちよち歩きだった我が息子も、あっという間に走れるほどに成長した。彼が1歳の時に「武器」を「うき」と言っていたあたりから、ひしひしと成長しているのがわかっていた。そんな我が息子にもついに友が出来た。書記長の息子と外交官の息子だ。書記長の息子はトントン、外交官の息子はオスマンというそうだ。いつも楽しそうに話をしてくれる。
今日は城の庭で遊ぶ約束をしていたらしく、先程元気よく総統室を飛び出して行った。その間私は当然のごとく仕事だ。私も遊びたい。
仕方なし椅子に腰掛け各軍の資料に目を通していると、ノックが4回聞こえた。
「どうぞ」
「失礼します」
行儀よく部屋に入ってきたのは、我が息子もお気に入りの少佐。要件を聞いた後に話し相手にでもなってもらおう。
「要件は?」
「東の国との交友関係を結んだ事で、新しい武器を頂きました」
新しい武器、という言葉程ワクワクする言葉は戦争の他にないだろう。いや、戦車とか銃とかグルッペンとかあったな。
「ほう!どんな武器だ?」
ワクワクが抑えきれず直ぐに聞いてしまった。何せこの国の武器の種類はそこまで多くはない。単純に銃火器、大砲、戦車、ナイフ、剣くらいしかない。これ以外の武器の種類は本で読んだことがあるが、なかなか入手が出来なかった。
「近距離武器の、ジャマダハルです。これはその模型ですが……」
そう言って少尉は手に持っていた2つのジャマダハルを私に差し出した。2本の平行するバーの間に、おそらくここを持つであろう握り。その先には鋭い刃。ジャマダハルを両手に握り、握り心地や感覚を確かめる。
「これは刺す事に特化している武器か?」
「ご名答です。これなら物理攻撃が得意な兵士に適していると思いませんか」
「ああ。とても素晴らしい!」
少し楽しくなって、シャドーボクシングの真似事をしてみる。なかなか楽しい。
「楽しいなこれ」
「そちらの模型、よろしかったらグルッペン様に」
そう言ってくれる少尉。いつもならここで我が息子にあげようと言っただろう。だが今回は少しばかり違った。私は剣も銃もそこそこ扱える。だがそれよりも物理攻撃が好きだった。これなら兵士の訓練紛れて遊べ……一緒に訓練することが出来る。
「いやこれ私が貰う」
「そんなにお気に召しました?」
この後我が息子にせがまれもう1つ作って貰ったのは言うまでもない

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はげわし(プロフ) - ルリさん» 返信遅くなってしまい申し訳ないです!続編出しましたので是非そちらからお父さんの今をご覧下さいー! (2020年4月19日 12時) (レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - 感動して泣いてしまいましたっっ!お父さん生存だといいな…… (2019年12月1日 0時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
はげわし(プロフ) - snowさん» 呼んで頂きありがとうございます!お褒めの言葉とても嬉しいです(`・ω・´) (2019年11月10日 21時) (レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 最初面白いのに最後泣けるとか最高かよぉ…(ТДТ) (2019年11月8日 21時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
はげわし(プロフ) - ライクさん» どうぞどうぞー!完成したら是非1度見てみたいですー! (2019年10月1日 23時) (レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はげわし | 作成日時:2019年8月7日 17時

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