3歳 ページ4
いつも通り、武器管理の兵士が武器庫へ行こうと廊下を歩いているときだった。
｢ん……?｣
彼の目の前を歩く小さな影。サラサラと綺麗な金髪で彼の膝よりも少し上くらいの背だろうか。まさか、と兵士は思った。
｢グルッペン様?｣
そう呼ぶと目の前の小さな影は止まり、くるりと後ろを振り返った。そして兵士を見るなりパァ……!と効果音がつくような笑顔になって
｢しょうい!しょうい!｣
と兵士に抱きついた。
｢えぇ!?｣
と｢しょうい｣と呼ばれた彼が驚いていると、廊下の奥からAが歩いてきた。
｢おお、少尉!今から武器庫か?｣
そう、この武器管理の兵士、この1年で活躍が認められ少尉へと昇格したのだった。武器管理の事もあり頻繁に総統室へ訪れていたので、グルッペンに覚えられたらしい。それが少尉は嬉しくてたまらなかったようだ。
｢グルッペン様……!自分を覚えていてくださったのですね!ありがとうございます!｣
｢少尉はよく遊んでくれたし新しい戦車の模型も作ってくれたからな。我が息子が懐くわけだ｣
Aはにししっと歯を見せて笑いながら少尉の背中を軽く叩く。少尉はグルッペンに好かれていたことが、下手すれば昇格した時よりも嬉しかった。
｢では総統、グルッペン様、自分は武器庫へ行ってまいりますので。これで｣
と、自分の足にしがみつくグルッペンを剥がそうとするも、離れない。
｢グルッペン様……?｣
と疑問をぶつけると、グルッペンはさらにギュッと少尉に抱きつく。少尉は｢えぇ｣と困ったような声を漏らすが、内心とても喜んでいる。
｢我が息子よ。少尉が困っているだろう。離れなさい｣
Aがそう言ってもグルッペンは離れようとしない。そればかりか｢やだ!｣と音声もつけて嫌がった。少尉もAも｢どうしたものか｣と頭を抱えていると、少尉がひとつ提案を出した。
｢あの……もし総統がよろしければ、おふたりも一緒に武器庫に来られますか……?ほら、武器とか戦車好きって言ってますし!｣
正直｢そんな所に連れて行って怪我でもしたらどうするんだ｣と怒られるのを承知で少尉は言った。だがAもいれば大丈夫だろう……。そう考えて出した、今の中では最もよく考えたものであった。
｢お、いいのか?よかったな。少尉のお仕事が見られるぞ｣
だがその答えは意外とあっさりしていて。Aは快くOKを出した。
｢ほんと!?やったぁ!!｣
グルッペンも跳ねて喜んでいる。
｢では行きましょうか｣と言った少尉はとても幸せそうだったらしい。
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はげわし(プロフ) - ルリさん» 返信遅くなってしまい申し訳ないです!続編出しましたので是非そちらからお父さんの今をご覧下さいー! (2020年4月19日 12時) (
レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - 感動して泣いてしまいましたっっ！お父さん生存だといいな…… (2019年12月1日 0時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
はげわし(プロフ) - snowさん» 呼んで頂きありがとうございます!お褒めの言葉とても嬉しいです(｀・ω・´) (2019年11月10日 21時) (レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 最初面白いのに最後泣けるとか最高かよぉ…(ТДТ) (2019年11月8日 21時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
はげわし(プロフ) - ライクさん» どうぞどうぞー!完成したら是非1度見てみたいですー! (2019年10月1日 23時) (レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はげわし | 作成日時：2019年8月7日 17時
