■■歳 親 子 口宣 口華 ページ23
｢アンタはいつもそうやって子供だからって理由で俺に相談もしなかったのか｣
｢は?｣
｢国がかかってるから子供なんかじゃ頼りにならないっていうのはわかる。だが、俺もアンタのあとを継ぐ存在だ。そういう事を相談するのも教育に関わるかもしれないとか思わなかったのか?｣
｢こんな状況で何を言っている?｣
このようなグルッペンの口の利き方は、13歳の時の親子喧嘩以来だった。グルッペンからすれば、こんな状況でもないと自分の話をまともに耳に入れてくれないと思ったのだろう。Aからすれば、どれだけこの戦いに焦っていても、
自分の子供達は護りたいと思っている。
再び、ふたつの意見がぶつかり合った。争っている場合ではないのに、やつが起きるかもしれないのに、こんな状況で睨み合っている2人を見てゾムはなすすべがなかった。
｢話なら後で聞く!とにかく今は出ろ!｣
｢何故俺を頼らない!?｣
どちらとも自分の意見をゴリ押すばかりで、1歩も引こうとしない。ゾムがグルッペンの服を引っ張ろうと、Aがグルッペンを上へ押し上げようと、グルッペンは下へ降りようとする。
｢早く出てくれ!奴が起きる前に!!今は行ってくれ!!｣
｢嫌だ!｣
とうとうグルッペンの体重プラス重力が勝り、Aの体の上にどっかりと落下した。
落下の勢いがあまり、先程居た操縦席の王の椅子にAは頭をぶつけた。
｢何をする我が息子よ!｣
｢うるせぇ! 大体こうなったのもこいつのせいだろ!こいつは俺が殺す!｣
グルッペンがそう言って自分の腰にあった銃を手に取り、倒れ込んでいるそいつに向け、1発撃った。
慣れていないのか頭には当たらず、代わりに壁に穴が空いた。
｢下手くそめ。銃はこう使うのだ｣
Aが引き金を引く。パァン!とうるさい音が戦車内に響き、討つべきターゲットは俯き、とうとう動かなかった。
｢フン。そんなに銃が使いたいのならゾムにでも教えて貰え。私はまだ教えんぞ｣
ハシゴをのぼり、金属特有のなんとも言えない音を踏み鳴らしながらAはブツブツ何かを言いながら眉間にシワをよせた。
｢全く。聞きたいことが山ほどあったと言うのに……。なにをしてくれる｣
｢父さんが勝手にやった事だろ｣
｢お前が素直に出ればよかったやろ｣
そういえばコックピットから煙が出ていたな。燃えて貰った方がこちらとしても処理が省かれて楽だ。そんな事を思いつつ、Aは外の空気を吸った。
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はげわし(プロフ) - ルリさん» 返信遅くなってしまい申し訳ないです!続編出しましたので是非そちらからお父さんの今をご覧下さいー! (2020年4月19日 12時) (
レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - 感動して泣いてしまいましたっっ！お父さん生存だといいな…… (2019年12月1日 0時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
はげわし(プロフ) - snowさん» 呼んで頂きありがとうございます!お褒めの言葉とても嬉しいです(｀・ω・´) (2019年11月10日 21時) (レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 最初面白いのに最後泣けるとか最高かよぉ…(ТДТ) (2019年11月8日 21時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
はげわし(プロフ) - ライクさん» どうぞどうぞー!完成したら是非1度見てみたいですー! (2019年10月1日 23時) (レス) id: 4b2fabaa80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はげわし | 作成日時：2019年8月7日 17時
