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出撃!近場の針山教会 ページ6

「なるほど。教会とやらに行くと。」

「はい。ですから、霊体化をお願いしますね」

あんな簡単な料理で軽く胃袋を掴んでしまったようだ。
手応えは今ひとつ…まあ料理嫌いなほうだし上出来な方なのでは?

ともかく、霊体化、及び護衛を頼むと言えばすんなり姿を消した。

−見なくていいのか?

(恐らく心を読まれます。万一を考えて貴方の情報は最低限得る程度に留めたい)

−頭が回るな、汝は…。

(それと、なるべく気配を消していただきたく。
会話も外では最低限でお願いします)

−了承した。


私の聖杯戦争は始まっている。

いつ誰がどこで監視しているか分かったものではない。

警戒するに越したことはないと歩みを進めるのであった。



「やあ、鹿乃さん。お久しぶりだね。それとこんにちは。」

「こんにちは、針山さん。」

針山誠(しんざんまこと)

大学では心理学を専攻し、教会を継ぐまではカウンセラーをしていたという。

そして、私の高校時代の同級生でもある。

自然に生活の中で出会った同級生だった。

針山は私が体が弱いとはいえ魔術師の端くれであるのは知っていた。

「いつかワンチャンあるかもね〜」

と話していた。

今の時期に(魔術師)がここに来たとなれば針山も心得ているだろう。

「…そっか。令呪が…マスターに選ばれたんだね。

分かっているだろうけど僕が今回の神父です。

厳正に、円滑に聖杯戦争が終わるように裏方に徹しています。

貴方は5番目だ。

それ以上僕個人から言えることは何もありません。

鹿乃清廉、貴方をマスターと認定します。

ーー勝者に栄光あれ。」

深く頷いて、目を合わせる。

次の瞬間、私達は背中を向けていた。

もう話すことは無い。

勝って、願いを叶えて−−生き延びる。

魔術師(マスター)神父(中立者)とはそういうものだ。






(−−ああ、)


(−−選ばれてしまった。)


(−−今の僕は中立であらねばならず。)


(−−故に、如何なる者であっても)


(−−鹿乃さんが、初恋の人でも。)


(−−どうか無事に、鹿乃さんが帰れますよう。)


(−−勝者に栄光あれ。)

帰還:A→←戦前準備:B



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作者名:石蕗 | 作成日時:2018年1月16日 14時

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